結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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70: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/07/16(金) 22:08:42.34 ID:LptKL4w+o


-屋上入口付近の物陰-


吹寄「……うーん、一体何を話しているんだろ?」

姫神「ここじゃあ距離がありすぎて。会話の内容まで聞こえない」

結標「ねえ、これって不味いんじゃないの? 盗み聞きだなんて……」

吹寄「そんなこと言って気にならないの? 二人が何を話しているのかを」

結標「き、気にならないわけじゃないけど……」

姫神「まあでも。あの様子からして告白してるってことは。なさそうに見える」

吹寄「たしかにそうね。もしあれが告白のシーンならば、二人してあんな邪悪な笑顔浮かべないもの」

結標「邪悪って……まあ否定はしないけど」

吹寄「……しかし耳を澄ませてみても全然会話が聞こえないわね」

姫神「読唇術でも使えれば。会話の内容がわかるんだけどね」

吹寄「近付こうにも、見事に屋上には隠れる場所なんてないときたものよ」

結標「でもほんと、何の会話しているんだろうね、あの二人」

姫神「あの二人の共通点と言ったら。学内ラジオで次回のゲストとして呼んだ側と呼ばれた側」

吹寄「たしか雲川先輩がゲストに呼ぶためにアクセラの携帯に電話したのよね?」 

結標「うん」

吹寄「てことは雲川先輩はアクセラの番号を知っていた、つまりもともと知り合いだったんじゃないかしら?」

結標「うーん、それはないんじゃないかな?」

吹寄「どうして?」

結標「たしかあの時かかってきた電話は非通知での電話だったわ」

姫神「それってつまり。雲川先輩が何らかの手段でアクセラ君の番号を手に入れて。自分の番号がわからないように非通知でかけたってこと?」

結標「うん。そうだと思う」

吹寄「じゃあ知り合いって線も薄くなっちゃうのかー」

姫神「でも。あのときの電話の内容からしたら。アクセラ君は雲川先輩のこと知ってそうだった」

吹寄「だったらやっぱり知り合い? うーん、謎が謎を呼ぶわね」





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