698: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:32:57.71 ID:31eSI50lo
五人組の先頭を歩いていた警備兵の声が差し込まれた。
その声に上条はもちろん、黒髪少女も驚いた様子を見せる。
上条「なっ、どういうことだ!?」
A子「……なるほど、そういうコトねぇ」
上条の質問をスルーして、少女は顎に手を当て何かを考えていた。
警備兵C「おい! そこの警備の者は侵入者と一緒に何をしている!? 内通者か!?」
警備兵B「…………」
少女の管理下にいる警備兵は特に答えない。彼女の命令以外は聞かないということなのだろう。
その様子を見て先頭の警備兵は、
警備兵C「疑わしきは罰する! 一人残らず排除させてもらう!」
そう言って手に持つ機関銃を上条たちへ向けて構える。
ガチャコン、という音が銃から鳴り、上条は心臓が縮み上がるような感覚が走った。
このままでは全員やられてしまう。どうする、と上条は頭を高速回転させる。
しかし、上条が何か妙案を思いつく前に、
ズガン!!
少年院の廊下に銃声が鳴り響いた。
上条(や、やられた……)
上条は恐る恐ると自分の体を見た。
一通り見て終わる。
上条「……あれ?」
無傷だった。
もしかして他の二人に当たったのか、と上条は少女とその後ろにいる警備兵を見る。
その二人も特に怪我をしている様子もなく、その場に立っていた。
おかしいな、弾は外れたのか。上条は銃声がした前方へと目を向ける。
上条「えっ!?」
瞳に写った光景に上条は驚きの声を上げる。
先ほど上条たちを警告して銃撃しようとした警備兵が倒れていたのだ。
倒れた警備兵が落とした機関銃からは硝煙が上がっていないところから、使われた様子はない。
だが独特の火薬の臭いのようなものが鼻につく。銃声も聞こえたから撃たれたことは間違いないはずだ。
ふと、上条は五人組の警備兵の中の一人に目を付ける。
その警備兵は倒れている警備兵とは隣り合うような位置にいた。
彼の持つ機関銃からはうっすら煙のようなものが上がっている。
つまり、
上条「……も、もしかして裏切った、のか?」
A子「それは違うわぁ。あの倒れている人以外は私の制御下にあった。御主人様である私に危険が及んだから自動で脅威を排除した、ってところかしらねぇ?」
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