結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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694: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:25:03.73 ID:31eSI50lo


打ち止め「……あれ? どうしてミサカは外にいるの? ってミサカはミサカは辺りを見回しながら聞いてみる」

美琴「ごめんね。ちょっと不味い状況になっちゃったからホテルを出たのよ」

打ち止め「不味い状況? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」

美琴「アンタを狙う悪者たちが来やがったのよ」


ほえー、と打ち止めは平坦な声で返事した。
目がぼーっとしていて、焦点があっていない感じからして寝ぼけているのだろう。
時間が時間のためしょうがないが。


美琴「とにかくここから離れるわ。しっかり掴まっていてちょうだい」

打ち止め「はーい、ってミサカはミサカはしがみついてみる」


 美琴は打ち止めを背負ったままホテルから離れるように駆け出した。
 これからどうするかを思考する。
 たしかこの近くにアンチスキルの詰め所があったはずだ。
 そこは先ほどいたホテルと専属で契約しているところなので、もしかしたらこの騒動を既に察知しているかもしれない。
 保護をお願いすればきっと快く引き受けてくれるだろう。
 いくら暗部組織とはいえアンチスキルの詰め所を正面から襲撃しようなんてことはしない。
 美琴はそう考えて目的地をアンチスキルの詰め所とした。

 しかし、美琴は足を止める。この一刻を争う状況で。
 ため息をつきつつ、目を尖らせながら、


美琴「――やっぱり、そう簡単にはいかない、か」


 美琴は周囲の道路を見回す。
 そこには犬型のロボットが彼女たちを取り囲んでいた。
 ざっと数えるだけで二〇機はいるだろうか。


美琴「打ち止め。しっかりと掴まっていなさい」


 改めて打ち止めにお願いする。
 その言葉を聞き、打ち止めの掴まる力が強まった。
 バチチィ、と美琴の額に青白い火花が走る。


美琴「――絶対、アンタには指一本触れさせないから!」


―――
――






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