結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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693: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:23:56.50 ID:31eSI50lo


 ドゴォン、という轟音が鳴り響き、とある高級ホテルの一室にある窓から爆風が巻き起こった。
 窓ガラスの破片や家具だったものが窓から下へと落下していく。
 ホテルの入り口前に待機していたガードマンと思われる男たちが慌てふためいている様子が見える。

 その様子をホテルから離れた歩道で眺めている中学生くらいの少女がいた。
 肩まで伸ばした茶髪。半袖のTシャツにショートパンツのルームウェアを着ていて、さっきまで部屋で寝ていたかのような格好だった。
 背中に小学生くらいの似たような容姿の少女を背負っていて、その少女は眠りについているのか瞳を閉じている。

 御坂美琴と打ち止め。
 先ほどまで爆破された部屋で眠っていたはずだった少女たちだ。

 美琴は煙を上げている部屋を遠目に呟く。


美琴「……まさか、本当に来るとはね」


 たしかに美琴はあのホテルをセキュリティ性の高さで選んだ。
 だが、彼女が期待していたのはその安全性の部分ではなく、『電子的』なセキュリティを多用している部分であった。
 ホテル内のあらゆる場所には監視カメラやセンサー式の装置が設置されている。客室やトイレ、入浴場といったプライベート部分を除けば。
 そのため、その中に侵入しようとするならばそれらの部分をどうにかしなければならない。例えるならハッキングして機能を停止させるなど。
 そこらのコソドロ程度なら不可能なことだが、暗部組織の連中なら容易にそれくらいは行える。美琴はそう踏んでいた。

 だからこそ、美琴は『電子的』なセキュリティ多用しているここを選んだ。

 美琴は予めホテル内のセキュリティを全てハッキングしていた。
 ハッキングと言ってもそれはあくまで警備情報を全て抜き出す程度のもの。
 通常のセキュリティには影響せず、ホテル側もハッキングされているとは気付かないレベルで。
 それは寝ている間も常に行っていて、絶えず美琴のPDAにはその情報が流れてきていた。

 そして、あるタイミングでPDAへ流れる情報が途切れた。

 そう。何者かがセキュリティをハッキングしてセキュリティを停止させたからだ。
 それを美琴は感知した。何者かがセキュリティの切れたホテルへ侵入し、襲撃してくることを予期できた。
 だから美琴は部屋から脱出でき、難を逃れることができたのだ。


打ち止め「……んっ」

美琴「打ち止め?」


 美琴の背中で寝ていた打ち止めが目を覚ました。
 季節は春だとはいえ夜明け前の空の下。冷たい空気に身体を震わせて意識が覚醒したのだろう。





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