675: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/26(日) 00:18:49.96 ID:Ud1c3PHRo
黒子「ところで進捗はどうなんですの? あれから一切連絡を寄越していないところから察しはしていますが」
初春「お察しのとおりですよー。結標さんどころか上条さんも監視カメラに引っかかってません」
黒子「類人猿もですの?」
初春「はい。電話の方も相変わらず繋がりませんね」
黒子は眉をひそめた。
結標淡希は裏の住人のため監視カメラを避けて移動する技術を持っている。
そのためいくら監視カメラの映像を検索したところで一つもヒットしない、などということが起きてもおかしくはない。
だがもう一人の上条当麻は違う。
彼は少し特殊なチカラを持ってはいるが、その点を除けば至って普通の男子高校生だ。
そんな彼が監視カメラに映らず街を動き回る技術など持っているはずがない。
電話もつながらないという事実から黒子は嫌な考えを巡らせる。
黒子「やはり、あの類人猿の身に何かあって、動くこともままならないということ……?」
監視カメラに映り込まないということは動けない状況。
それに加えて電話にも出ないとなると言葉には出したくはないが、
初春「やっぱり死んじゃった、ってことですかね?」
黒子「あっさりそういうことを口に出すんじゃありませんの」
たしかに口に出しても出さなくても状況は変わらないが。
ここで黒子の脳裏によぎったのは尊敬する御坂美琴お姉様の姿だった。
認めたくはないが、彼女は上条当麻を意中の相手として見ている。
そんな少年が確定しているわけではないがそういう状況になっていると知ったら、全てを投げ売ってでも彼を捜しに行くだろう。
それすなわち美琴が暗部に首を突っ込むどころか宣戦布告してもおかしくないということ。
黒子(ど、どうしますの白井黒子。このことをお姉様に伝えるべきか伝えないべきか……)
心臓がバクバクと鳴る。全身に嫌な汗がにじみ出る。
拳銃を持った男六人に囲まれたときと比べ物にもならない緊張が彼女の中で走った。
そのとき、
ピピピッ! ピピピッ!
初春の使っているたくさんのディスプレイの中のうち一つから電子音が鳴った。
何だと思い黒子はそのディスプレイへと目を向ける。
そこに映っていたのは街中を謎の黒髪少女と一緒に歩いている上条当麻の姿だった。
この映像は同日同時まさしく今撮られたもの。
初春「あっ、上条さんだ」
黒子「…………」
このあと黒子は初春から少年の電話番号を聞き出し、鬼のように電話をコールさせた。
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