結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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660: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/25(土) 23:41:09.37 ID:jaU2C2/Fo


数多「――帰ったぞ」


 従犬部隊のオフィスである木原数多の部屋。
 リビングの入り口のドアを開けて、数多が帰宅したことを告げる。


円周「おかえりー数多おじちゃん」


 応接用に使っているソファに寝転びながら漫画を読んでいる円周が、適当に挨拶をした。
 それを見て軽くため息を吐きながら、数多はソファの前の応接テーブルに手に持っていた箱状のものを置いた。


数多「ほらっ、買ってきてやったぞ。ケ○タッキーフライドチキン」

円周「おおっ、このスパイシーな香りは間違いなくケンタ○キーフライドチキン!」


 円周はソファから飛び上がるように上体を起こし、食欲をそそる香りを放つ箱を手に取り自分の目の前へと引き寄せる。
 スムーズな手付きで開封し、中に入っている脚部分のフライドチキンを手に取り、頬張った。


円周「うん、うん。やっぱりジャンキーって感じがして美味しいね」

数多「そうかよ。そりゃよかったな」


 数多が手に持っていた荷物をその辺の床に放り投げて、自分の席である窓際の中央デスクへと座った。
 背もたれがきしむくらい背中を預け、両足をデスクの上に投げ出す。疲労が溜まっているのだろうか。
 そんな様子を見て、鶏肉を咀嚼しながら円周は、


円周「お仕事はちゃんと終わったのー?」

数多「まあな」

円周「一体どんな仕事だったの? 開発の仕事とか言っていたけど」

数多「あぁ? あー、あれだ。こういう機械を作りたいんだけどどうすればいいですか、みたいな質問に答えるだけの面倒な仕事だったわ」


 「結局この俺が直々に設計図書いてやったんだがな」と数多は面倒臭そうに補足した。
 時計の針は午後七時頃を指していることから、それなりに難航したのだとわかる。


円周「ふーん、ちなみにどんな機械を作ったのー?」

数多「あん? そりゃ言えねえなぁ」

円周「何で?」

数多「一応、客先との話だからな。機密事項ってヤツがあるわけだから、喋ることができねえわけだ」


 社会人として情報漏えい対策のルールをしっかり守る社長を見て、円周は不満げな表情をした。


円周「えー、それって社員の人にも話ちゃいけないことなのー?」

数多「いや、お前社員じゃないだろ」


 円周が「えっ」と目を丸くする。





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