659: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/25(土) 23:39:10.03 ID:jaU2C2/Fo
瞬間、一方通行がまとっていた雰囲気が変わる。番外個体の視界に映っていた一方通行の姿が消えた。
番外個体はミサカネットワークの稼働状況をモニターすることで、一方通行の行動を先読みすることができる。
だから、番外個体は一方通行は次にどこへ行き、何をしようとしているかがわかっていた。
しかし、
番外個体(――速過ぎるッ!?)
後ろを振り返ろうとする番外個体の首の後ろ部分に衝撃が走る。
一方通行は番外個体の後ろへと一瞬で移動し、彼女の首へ手刀を打ったのだ。
ガクン、と脳みそを揺らすような一撃に、番外個体は糸が切れた操り人形のようにテーブルの上に崩れ落ちる。
薄れていく意識の中、後方にいる一方通行から声が聞こえた。
一方通行「悪りィな。全てが終わったあとまた殺しに来い。俺は逃げも隠れもしねェからよォ」
それを聞いた番外個体は、声を発することなく口だけの動きで何かを喋った。
なんと言ったのかは一方通行にはわからなかったが、おそらく自分に対する罵詈雑言だろと考えるのをやめて、視線をグループの残り二人へと向ける。
一方通行「さて、次はどっちだ? 海原、オマエか?」
名前を呼ばれた海原と呼ばれる少年はクスリと笑みをこぼし、
海原「ふふっ、残念ながら今の自分は貴方を倒す手段を持ち合わせておりません。なので、ここはやめておきましょう」
ニコニコ笑顔で両手を上げて降参の格好をする海原を見て、一方通行は毒気を抜かれたような表情をした。
そして海原より奥側で大股開いて座っている土御門の目の前にジャンプして立ち塞がる。
足元には壊れたテーブルの破片や食べ物が散乱していたが、一方通行は気にすることなくそれを踏み潰した。
一方通行「土御門ォ、このゲームは俺の勝ちだァ。約束通り吐いてもらうぞォ? 結標に関する情報を、洗いざらい」
その言葉を聞いた土御門は「ふっ」と鼻で笑った。
一方通行はそれを見て苛立ちを見せながら食ってかかる。
一方通行「ハッ、話す気はハナからなかったっつゥことかァ!? イイだろォ!! だったらこれから楽しい拷問の始まりだァ!! 最初は爪を――」
一方通行が言葉を言い切る前に土御門は懐へ手を入れ、何かを取り出した。
それは二〇センチくらいの棒の先に直径一五センチくらいの円状のものが取り付けられた道具だった。
何かの武器かと思い、一方通行は身構えた。
土御門はニヤリと笑い、その道具についたボタンを押す。
ピンポン!!
一方通行「…………は?」
気の抜けるような電子音が道具から鳴った。
まるでクイズ番組か何かで正解した時に鳴るような軽快な音が。
呆気を取られている一方通行を見てケタケタ笑いながら土御門は、
土御門「合格だぜい! アクセラちゃーん!」
土御門が持つ道具の円盤部分。
そこには赤い丸マークが描かれており、チカチカと点滅していた。
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