結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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656: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/25(土) 23:30:26.88 ID:jaU2C2/Fo


 グループの隠れ家である一室の入り口に立った一方通行は部屋を見渡す。
 正面右側には一方通行がよく知っている、金髪にサングラスをかけた男、土御門元春。
 その隣には見た目爽やかで笑顔の似合う男、海原光貴。
 入り口から対角線上の位置にいるのは茶髪の少女。背格好からして自分と同い年くらいか。暗がりにいるためか顔までは確認できない。
 彼の目にはその三人が映っていた。

 一方通行の中にある疑問が浮かぶ。


一方通行(あン? 三人だァ?)


 以前、海原光貴が言っていた説明を思い出す。
 スクールやアイテムが四人組の組織であるようにグループも同じ四人組の組織であったはずだ。


一方通行(グループってのは四人組じゃねェのか?)


 だが、そんな疑問は一瞬で吹き飛んだ。
 なぜか。
 一方通行の死角に潜り込み、突き刺すような殺気を放ちながら右方から猛スピードで接近してくる少女に気付いたからだ。


黒夜「いらっしゃい第一位ィ!! そしてこのままサヨナラだァッ!!」


 黒夜海鳥が最強の能力者へ突っ込む。彼女の右の掌から見えない何かが噴出される。
 ザパン!! という音を上げ掌の先にあったテーブルの板が切断され、上に乗っていた料理の皿や飲み物の入ったグラスが宙に舞った。
 『窒素爆槍(ボンバーランス)』。
 空気中の窒素を操り、掌から窒素で出来た無色透明の槍を生み出すチカラ。
 戦車の装甲を容易に貫通・切断する破壊力を、黒夜は一方通行の華奢な体に突き付ける。

 一方通行と窒素の槍が交差する。
 ズガン!! という爆音が鳴り、その余波で室内に烈風が巻き起こった。

 一方通行と黒夜海鳥の戦いの決着は、その一撃であっさりとついた。
 勝者は悠然とその場に立っており、敗者は体ごと吹き飛んで壁に叩きつけれていた。


黒夜「なン……だとォ……?」


 壁に叩きつけれ吐血した黒夜は、床へ膝から崩れ落ちて目を大きく見開かせていた。
 チカラを振りかざした右腕は皮膚がめくれ上がるように破れ、赤い液体を垂らしながら黒い合金製の骨を覗かせて、あらぬ方向へ折れ曲がっていた。


黒夜「ば、馬鹿な。私には、ヤツのパラメータが……!」


 驚愕の表情のまま黒夜は呟く。
 その様子を見た一方通行はつまらなそうに首を鳴らし、


一方通行「オマエ、木原のクソ野郎の猿真似をしてやがったな?」


 一方通行は見透かしたように問いかける。


一方通行「大方、『木原数多』の思考パターンを取り入れて、俺の『反射』を機械的に破ろうとしたンだろがよォ。オマエはいつの『木原数多』のデータを取り込ンだ?」

黒夜「ッ!?」





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