結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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655: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/25(土) 23:28:44.17 ID:jaU2C2/Fo


 第七学区にあるアミューズメント施設。
 ボウリング場やゲームセンター、ちょっとしたスポーツを楽しめる設備の整った施設だ。
 現在は春休みのため学生の客で施設内は賑わっていた。
 その中にあるカラオケボックスの大部屋。そこには『グループ』の面々がいた。

 この一室はグループが隠れ家として使っているものだ。
 部屋にたどり着くためにはトリックアートのような技術で綿密に隠された通路を複数通らなければならない。
 そのため、人の出入りが多いカラオケボックスという場所でも隠れ家という役割を果たしていた。

 各々好きな場所に座って顔を見合わせているところから、何か打ち合わせのようなことをしていることがわかる。
 そんな中、見た目一二歳のパンク系少女黒夜が話を切り出す。


黒夜「――つかさぁ、本当に大丈夫なのかよ? アンタら二人がオフェンスでさ」


 テーブルに広げられたフライドポテトを一本手に取り、それを男二人のいる方向へ向ける。
 二人のうち海原のほうが冷静な口調で、


海原「自分は問題ないと思いますがね。あの場所は貴女たちがまともに戦えない環境でありますから、必然的に自分と土御門さんが適任となるでしょう」

黒夜「チッ、せっかくの楽しい楽しいお祭り騒ぎだってのに、やることが会場の警備だなんて面白くねェ」

番外個体「まあいいじゃん。クロにゃんは今回の情報を引っ張ってきた、っていう十分な仕事を果たしてくれたんだから。あとはゆっくりしとけばいいよ」

黒夜「アンタからの称賛の言葉なんてもらっても嬉しくないよ。だいたい私と同じ立場なんだからもうちょっとアンタも反論しろよ」

番外個体「ミサカはクロにゃんみたいなバトル脳じゃないからねー。ミサカ的には仕事サボれてラッキーって感じだから」


 番外個体がケラケラ笑いながら答える。それを見て黒夜が不満そうに舌打ちした。
 会話が収まったことを確認した土御門は、


土御門「というわけで、プランAの説明は以上だ。頭に叩き込んでおけ」

黒夜「へいへい。で、プランAってことはプランBがあるってことだよな? Bのほうはいつ説明してくれんだ?」

番外個体「そりゃあれだよ。例のゲームであの人が勝ったあとじゃない?」

黒夜「あー、そういうことか。ま、それならBのプランは必要ないね」


 黒夜が得意げな表情で指についたフライドポテトの塩分を舐める。


黒夜「勝とうが負けようが、どっちにしろそのときあの野郎は、この場に立っていないんだからね」


 その発言に対して他三人は特に反応はしない。
 部屋の中にはカラオケのディスプレイから流れる宣伝用の映像の音声だけが聞こえる。
 そんな耳障りな沈黙を破るように、


 ダゴンッ!!


 という大きな音を立て入り口のドアが吹き飛んだ。
 ドアはそのまま直線上にある壁に叩きつけられ、地面に横たわった。
 それを四人は視線だけ向けて確認する。
 ガチャリ、ガチャリ。
 機械の駆動するような音を立てながら、入り口から一人の少年が入ってきた。
 真っ白な髪と皮膚。悪魔のような真紅の瞳。首元には電極付きのチョーカーが巻かれており、右手には機械的な杖を突いている。
 学園都市最強の超能力者(レベル5)が口元を大きく引き裂きながら、


一方通行「こンばンはァグループのカスどもォ! 随分と待たせちまったよォですまねェなァ? お詫びってわけじゃねェけどよォ、痛みを感じることなく一瞬で肉塊にしてやっから感謝しろォ!」


―――
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