653: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/25(土) 23:25:12.09 ID:jaU2C2/Fo
佐久「――山手の部隊と連絡が付かないというのは本当か?」
第一〇学区の隠れ家の一室にいる『ブロック』のリーダー佐久が下部組織の男に問いかける。
下部組織の男の一人は恐る恐るな感じで、
ブロック下部「は、はい、ここ一時間程。最初は作戦行動中で連絡が付かないと思っていたのですが」
手塩「たしかに、それは妙だな」
壁を背に腕を組んでいる手塩が怪訝な表情をする。
手塩「いくらヤツが、作戦行動中であっても、定時報告を怠るなど、あるはずがない」
「ましてやこちらからの連絡に返事を返さないのはおかしい」と手塩がさらに付け加えた。
佐久「もしかしたら殺られちまったのかもしれねえな」
佐久はあっさりと言い放った。
山手という男はブロックの幹部の一人で、これまでの活動を支えてくれた優秀な男だ。
その男が死んだかもしれないという予想を立てた佐久の表情は、特に変わったところはなかった。
佐久「あいつの仕事は情報封鎖の残り物を処理することだ。今まで情報開示していたヤツがそれを予測して返り討ちにした可能性が高い」
手塩「……たしかに、そうだな。櫻井通信機器開発所の火災のことが、ニュースに上がっている。おそらくこれは、座標移動が関係していることだろう」
山手は既にメディア関係の施設への手回しは終えたと言っていた。
手回しというのは研究施設を狙う謎の襲撃犯に関する報道の規制。
だが、現実ではその関係するニュースが流れている。
手塩「最初は襲撃犯に、直接関係していないと、判断されてしまったと、思っていた。そこで、山手が倒されたという、前提で考えると……」
佐久「そうだ。情報封鎖が解かれている可能性が高い。つまりその封鎖を解いたヤツに殺されたってことになるな」
幹部とその部隊を失う。
その痛手を考慮して手塩が確認する。
手塩「作戦は、どうするつもりだ? 最悪な、パターンを考えたら、こちらの情報が、山手から抜かれている、可能性もあるわ」
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