結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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652: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/25(土) 23:23:34.60 ID:jaU2C2/Fo


上条「何でアンタ結標のこと知ってんだ? 友達か何かか?」

A子「友達ではないわぁ。知り合いって言えるほどの面識力もないかもしれないわねぇ。直接会ったことあるのは結標さんがバイトしているケーキ屋さんで偶然出会って世間話した時だけだしぃ」


 けれど、とA子と名乗る少女が言う。


A子「それは結標さんが記憶喪失していた時の話だから、今の結標さんとはおそらく初対面ってことになるわよねぇ」

上条「…………」


 上条はこの言葉で確信した。この謎の少女は全部知っている。
 結標が記憶喪失していたということも、その結標が記憶を取り戻して今大変な事態に巻き込まれているということも。


上条「ほんとアンタ何者だよ? もしかして暗部組織の人だったりするのか?」

A子「私はそういうのじゃないわねぇ。わざわざそんなところに堕ちてあげる必要性が感じられないわけだしぃ」

上条「じゃあ何で結標の記憶のことを知ってんだよ。結標のことなんてそんな世間に出回っている情報じゃねえだろ?」


 少女は人差し指を唇に当てながら、


A子「アナタが納得するような答えを私は持っているんだけどぉ、言ったところでアナタには覚えてもらえないわけだしねぇ。あー、でも納得したという事実力は残るはずだから別にそれでいいのかしらぁ?」

上条「? 何言ってんだ?」


 困惑の表情を浮かべる上条を無視して少女は、


A子「実は私、超能力者(レベル5)第五位の心理掌握(メンタルアウト)こと食蜂操祈ちゃんなんだゾ☆ 私の収集力にかかればその程度の情報なんて簡単に集まっちゃうってコト♪」


 ピースみたいな形にした右手を目の横に持ってきて、左手を軽く腰に当て、ウインクのように片目を閉じる。
 そんなポーズをする少女の瞳の中には、十字形の星模様のようなものが浮かんでいた。


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