651: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/25(土) 23:21:48.37 ID:jaU2C2/Fo
そこに立っていたの黒髪の少女だった。
背丈や体付きからして上条と同い年くらいの高校生か。
春休み中なのに制服を着ているみたいだが、上条はそれがどこの学校の制服か見当がつかなかった。
呆気を取られている上条を見て、その謎の少女はニヤリと笑う。
??「倒れた自動販売機に散乱したジュースの空き缶……もしかして盗んだジュースでやけ酒ならぬやけジュース中だったかしらぁ?」
上条「なっ、ち、違う! これはそういうのじゃなくてなぁ」
突然の盗人判定を受け、上条は両手を前に出して弁明の機会を求める。
そんな様子を見て少女はクスリと笑い、
??「嘘よぉ、ちゃんとわかってるわぁ。全部見てたから事情は知ってる。結標さんにやられちゃったのよねぇ」
上条「なっ、アンタ結標のこと知ってんのか!?」
まったく知らない人間から結標の名前が出たことに上条は驚く。
通常時なら結標の個人的な知り合いとかで片付ける話だが、状況が状況だ。
それにこの少女は上条が結標を知っている前提で話をしている節があった。
上条の質問に特に答えることなく、少女は公園の反対側の出口へと向けて少し歩いてから振り返った。
まっすぐと上条の方へ向いて、
??「結標さんのこと、助けたいとは思わなぁい?」
上条「……アンタは一体、何者なんだ?」
少女は少しだけ目を丸くさせたあと顎に人差し指を当てて何かを考え出した。
五秒位考えたあと、少女は不敵な笑みを浮かべながら、
??「うーん、そうねぇ。ここで本当の名前を名乗ってもいいんだけどぉ、どうせすぐに忘れちゃうから不便なのよねぇ。じゃ、私のことは少女Aとでも呼んでちょうだい!」
上条「凶悪な少年犯罪犯してニュースで名前を隠された女子生徒かよ」
??「そのツッコミはどうなのかしらぁ? 人によっては不快力で笑えないかもしれないわよねぇ」
上条「そんな変なもんを連想させるような名前を名乗っているテメェには言われたかねえよ!」
A子「もう、しょうがないわねぇ。だったらA子でいいわよ。まぁ、正直名前なんてなんでもいいんだケドぉ」
やれやれと言った感じで少女は少女AからA子へ改名した。
そんなA子と名乗る少女と話している上条は、何か違和感のような変な感じがあった。
この少女とどこかで会ったことがあるんじゃないか。デジャヴみたいなものだろうか。
首を傾げながらも上条は質問する。
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