637: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/18(土) 23:04:42.40 ID:loyT3wilo
第一〇学区。櫻井通信機器開発所から一キロほど離れた場所にある寂れた公園。
園内に設置されている遊具は錆びついているところから、すでに管理から外れていて手入れがされていないことがわかる。
公園の入り口から少し離れた位置にある自動販売機、その前に設置されているベンチに結標淡希は腰掛けていた。
彼女の様子は一言で言えば満身創痍。
肌が見えるところだけでも至るところに切り傷や打撲痕が見られ、着ている服もところどころに破れた跡や焼け焦げたような跡があった。
顔を伏せながら息を荒げている様子から、相当な疲労やダメージが蓄積されていると見える。
ボロボロの結標は呟く。
結標「……あと、もう少しよ……」
言葉を発することで動かない身体を鼓舞する。
もうすでに限界が近いのだろう。
結標はおもむろに腰に付いた軍用懐中電灯へ手を伸ばす。
それを握り、引き抜き、立ち上がって、結標は軍用懐中電灯で空を切った。
カラン、という軽い金属のようなものが地面に落ちる音が公園入口から聞こえてきた。
金属矢。彼女が携帯していた武器が地面に転がっている。
その落下地点の側に、一人の少年が立っていた。
結標「止まりなさい。上条君」
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