636: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/18(土) 23:03:24.23 ID:loyT3wilo
だからあなたたちは悪くないわ、と麦野は付け加える。
フレンダ「む、むぎのぉ……」
絹旗「……すみません、次は絶対に失敗しません」
リーダーの言葉に少し明るさを取り戻した二人。
何からしくないことしているな、と思いながら麦野は頬をかいた。
滝壺「……ところでむぎの。気絶するなんて一体何があったの?」
滝壺の言葉に麦野は顔をしかめる。
麦野「気絶? この私が?」
絹旗「は、はい。麦野からの通信が途絶えて、下部組織の連中に超様子を見に行かせたら、麦野が倒れていると報告を受けまして」
フレンダ「それでこれは不味い状況だってことで、麦野をこの車に乗せて櫻井通信機器開発所から脱出したって訳よ」
少女たちの言葉を聞き麦野は当時のことを思い出す。
たしか自分は櫻井通信機器開発所一棟の一階ロビーに待機して、滝壺の指示を受けながら能力を使って結標の動きを誘導する役割だったはずだ。
絹旗の待機場所への誘導はもちろん、予備プランのフレンダの位置までの誘導もこなした記憶がある。
そんな自分がなぜ気絶などしていたのか。ふと、麦野はある光景が頭の中をよぎった。
自分の前に立ちふさがったツンツン頭の少年を。
麦野「――あんのクソガキィ!!」
先ほどまでの穏やかな表情から一転し、麦野の顔は怒り一色に染まった。
突然の怒号に少女たちがビクつかせる。
麦野「浜面ァ!! 今すぐさっきの場所へ車を戻せッ!!」
運転席の浜面がバックミラーで麦野を見ながら、
浜面「なっ、今から戻んのかよ!? もうあそこには結標の姉さんはいねえだろうし、今頃他の下部組織の連中が後始末で建物に火を放ってるところだぜ?」
麦野「それでも戻れッ!! あの上条とかいうクソ野郎をブチコロシに行くッ!! たった一発のラッキーパンチで図に乗ってんじゃねえぞゴルァ!!」
激昂する麦野をアイテムのメンバー+下っ端で何とか説得し、第三学区にある隠れ家へと帰還したのだった。
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