結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
1- 20
635: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/18(土) 23:02:00.16 ID:loyT3wilo


麦野(…………んん)


 麦野の意識が覚醒する。
 ここはどこだ? 私はなにをやっていた? どうして私は寝ていたんだ?
 いろいろな疑問を浮かべながら、麦野は目を開ける。

 目に入ってきたのは、心配そうな表情でこちらを見る同僚であるアイテムの少女三人だった。


フレンダ「む、麦野!! よかった!! 目を覚ましたんだね!!」


 フレンダの表情が喜びで満ち溢れていた。


絹旗「……ほっ、まあ生きていることは超分かっていましたが、無事意識を取り戻してくれてよかったです」


 冷静な言葉を使っているが、さっきまで焦っていたのか絹旗は息を吐いて胸を撫で下ろしていた。


滝壺「本当によかった……」


 『体晶』の副作用で病人のように顔色の悪い滝壺も、静かに微笑みを浮かべていた。


麦野「……はあ? 何よこの状況? つーかここどこよ?」


 麦野は周りを見渡す。見覚えのある風景だった。
 二つ横に並んだシートが縦に三組の六人乗りの車の中。
 今日アイテムの足として使っていた盗難車のワンボックスカーの中だ。
 窓を眺めると景色が後ろに流れていっているところからして、この車は移動しているのだとわかる。


麦野「車ん中、ってことは任務は終わったってことか。ターゲットは捕まえられた?」


 麦野の問いかけに他の少女たちの顔が曇る。
 その様子から麦野は何となく察した。


フレンダ「……ご、ごめん麦野。私が、私のせいだ」


 うつむいて膝の上で拳を握り締めながら、フレンダは瞳に涙を浮かべていた。


絹旗「ち、違いますよ! そもそも私が超しくじらなかったらこんなことにはならなかったんです! だから私が悪いです!」


 擁護するように絹旗は自分の責任を主張する。
 そんな二人を見ながら麦野はため息を付いた。


麦野「もういいわよ。私はあなたたちなら座標移動を捕まえられると思って役割を任せた。それで駄目だったってことは役割を与えたリーダーである私の責任よ」





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
841Res/1732.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice