624: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/18(土) 22:40:10.41 ID:loyT3wilo
麦野「友達、ふふっ、友達かー、くふっ、友達ねー」
上条「何がおかしいんだよ?」
麦野「別に何でもないわよ。ところでその座標移動とお友達の上条君は、こんな場所に一体何しに来たのかにゃーん?」
麦野の逆撫でするような問いかけに、上条は眉をひそめながら答える。
上条「最初俺は結標に会うためにここに来た。けど、いざここにたどり着くと結標を傷つけようとしているヤツらがここにいるってわかった」
上条「だから、俺がそいつらぶっ飛ばして止めてやらなきゃって決めたんだ。結標と会うのはそれからでも遅くはねえはずだ」
上条の言葉に嘘や偽りなどない本心の言葉だということを麦野は理解した。
だからこそ麦野は再び笑みをこぼす。
麦野「つまり、私をぶっ飛すことで座標移動を守れると思って、アンタはこの場に立っているってことでいいかしら?」
上条「ああ、そうだ」
麦野「だったらそれは間違いよ」
麦野は即座に否定する。
麦野「私の仕事は座標移動をある地点に誘導すること。実際にアンタの言う傷つけるような行いをするのは、その地点で待機している捕獲係のヤツよ」
上条「何だと?」
麦野「その目的を果たすためには捕獲係がいる地点に行かないといけない。つまり、アンタは無駄足を踏んでいるってことよ。おマヌケさん?」
ぐっ、と上条は焦る様子を見せた。
それを見た麦野は、
麦野「教えてあげましょうか? その捕獲係がいる地点」
上条「なっ」
麦野「二号棟の地下から外へ出る時に使う非常通路。そこが私たちが座標移動を捕獲するためのポイントとしている場所よ」
上条はきょとんとした表情で麦野に問う。
上条「な、何でそんなことを俺に教えてくれるんだよお前」
麦野「何で、か。そんなの決まっているじゃない。だって――」
麦野はブチブチと引き裂くような笑顔を浮かべた。
麦野「そうしねえと場所がわかってても絶対にたどり着けないことを理解して浮かべる、テメェの絶望に満ちた表情が見られねえじゃねえかッ!!」
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