結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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622: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/18(土) 22:36:10.08 ID:loyT3wilo


 麦野は相変わらず施設の一階のロビーで、滝壺の指示通りのポイントに向けて砲撃をしていた。
 何度も同じような場所に電子線が発射されているからか、天井にはたくさんの穴が集まるように空いている。
 砲撃を続けながら麦野は携帯端末へ話かける。


麦野「アンタが失敗するなんて珍しいわね。さすが座標移動(ムーブポイント)ってところかしら?」

絹旗『完全に私の判断ミスです。超反省しています』


 いつもよりワントーン声が低い絹旗のことを気遣っているのか、


フレンダ『大丈夫だってへーきへーき! おかげでボーナスは私のモノって訳だから問題ナシ!』

麦野「へー、もう任務を達成した気でいるなんて随分と余裕じゃないか? しくじるんじゃないわよフレンダ」

フレンダ『任せてよ麦野! 結局、こういう作戦は私のほうが向いているって訳よ』


 自信満々のフレンダの声を聞いて麦野はため息をつく。
 本当に大丈夫なのか。麦野の中に不安の気持ちはあった。
 しかし、彼女はやるときはきっちりやってくれるヤツだということは麦野がよく知っている。
 なぜなら彼女も『アイテム』の一員なのだから。


滝壺『フレンダ。三〇秒後にポイントβに到達する。準備はいい?』


 滝壺がアナウンスをする。それに対してフレンダはいつもの調子で、


フレンダ『オッケー! さーて、勝負だ座標移動!』

滝壺『了解。むぎのこれが最後。――のポイントに三秒後砲撃』

麦野「はいはい」

 
 軽く返事をして麦野は手を斜め上へとかざす。
 この砲撃がフレンダと結標の戦いの開始を知らせるゴングとなるだろう。
 麦野の掌から青白い光の玉が発生する。
 その瞬間、

 何者かの気配がこのロビーへ侵入したことに麦野は気付いた。


麦野「あ?」


 だが麦野は特に動揺することもなく予定通り砲撃を放つ。
 建物の壁や天井を突き抜けて電子線が一直線に伸びた。


滝壺『予定通り座標移動はポイントβに――ごほっ!?』





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