結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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621: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/18(土) 22:33:54.35 ID:loyT3wilo


 上条当麻は何故かフェンスに開いていた大穴をくぐって、櫻井通信機器開発所の敷地内へと入っていた。
 あとは何故かぶち破られているドアから建物の中に入るだけだ。
 しかし、上条は建物の中に入れず、物陰に隠れているという状況にあった。


上条(……クソっ、あと少しで中に入れるっていうのによ)


 建物の周りにはいかにもな男たちが周辺を警戒していた。
 その手には拳銃が握られており、あの中を強行突破しようとしても上条当麻では逆立ちしたって無事ではいられないだろう。


上条(さっき建物の中から茶髪のチンピラみてえなヤツとジャージ着た女の子が出てきたけど、たぶんあいつらのことだよな? 結標を狙っている暗部組織って)


 その二人は周りにいた男たちを数人引き連れてどこかへ歩いて消えていった。
 おそらくあの二人は、というより厳密に言うと女の子のほうがあの男たちの上司か何かに当たる人なのだろう。
 女の子のほうにだけ男たちはペコペコと頭を下げていたのを見ていた上条は、勝手にそう予想した。


上条(……というかさっきの二人どっかで見たことあるような気がしないでもないような)


 上条はしばらくぼーっとそんなことを考えたあと、首を振ってその考えを飛ばす。
 今はこんなことを考えている場合じゃねえだろ、と再び建物の周りにいる男たちの方へ目を向ける。


上条(全然あの場から動こうとする様子が見られねえな。このまま待っててもジリ貧だろうし、どっか別の入口探すか?)


 この建物はかなり大きい上に二棟が連なっている。
 ということは、入り口は複数あってもおかしくはない。
 こんなところで隙を伺うくらいなら、別の安全な入り口を探したほうがいいんじゃないか。
 そう思って上条は動こうとした時、


上条「……って、あれ?」


 突然、建物の周りに立ち入り口を監視していた男たちが一斉にどこかへ向かって歩き始めた。
 そのまま男たちが姿を消していき、入り口が完全にガラ空きになったことを確認する。


上条「何かあったのか? みんなで仲良く連れションに行ったわけじゃねえだろうし、もしかして罠かなんかか?」


 いろいろ考えて辺りを見回してみたが、特にその罠らしいものは見当たらない。
 考えててもしょうがない。こうなったら行き当たりばったりだ。
 そう考えて上条当麻は、物陰から飛び出して入り口へ向かって走った。


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