616: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/18(土) 22:22:11.44 ID:loyT3wilo
絹旗「やっぱり素直に顎を狙って脳みそ超揺らして意識奪ったほうがよかったでしょうか?」
結標「はぁ、はぁ、貴女も、あの麦野とかいう女の仲間ってことで、いいのかしら?」
結標は荒げた息を整えながら問いかける。
その問いに絹旗は目を丸くさせながら、
絹旗「あれ? もしかして私のこと超忘れられちゃってますか? スキー場でのことが道端で挨拶した程度の出来事で超処理されているんですか?」
結標「スキー場? 何を言っているのよ?」
絹旗「……少し超ムカつきましたが、まあいいです。いずれにしろ私のやることは超変わりませんから」
ドンッ、と床を蹴り、一歩で結標との距離を詰める。
右拳を振るう。彼女の次の狙いは結標の下顎。
結標は体を大きく左へ逃がすことでそれを避ける。
回避をされたことを瞬時に理解した絹旗は、離れていく結標の頭部を追い左フックを繰り出す。
結標を右腕を左手で支える形で受ける。右腕からミシリと嫌な音が聞こえた気がした。
結標「う、ぐっ」
結標の体が受けた勢いに押され床へ倒れ込む。
次の一撃に備えなければ、と結標は痛みを堪えながらも絹旗のいる方向に目を向ける。
そこにいたのは、床に倒れ込んでいる結標を狙い、飛び上がりながら右拳を体の後ろへ引いている絹旗だった。
バゴン!! 結標がとっさに体を横に転がしたことで、絹旗の拳は床に突き刺さる。
ひび割れた床を横目で見て、結標全身に冷や汗が流れた。
転がった勢いで結標は中腰気味に立ち上がり、腰のベルトにある軍用懐中電灯を抜く。
鈍器にもなる懐中電灯を両手で握り、床に拳を付けているため低い位置にあった絹旗の頭目掛けてフルスイングする。
ガゴン!!
軍用懐中電灯は絹旗の頭部に直撃した。だが、彼女の体は特にのけぞることもなければ、ダメージを受けている様子もない。
結標「なっ、痛ッ……!?」
むしろダメージを受けているのは、攻撃した結標淡希の方だった。
まるで鉄柱を思い切り殴りつけたような感覚。両手が痺れて震えているのがわかる。
予想外の反撃を受けて動揺している結標へ、絹旗がすぐさまに狙いをつける。。
絹旗は拳を握り、結標の下顎を目掛けてアッパーカットの要領で拳を突き上げた。
結標の顎が空を見る。
投げ出されたようになった彼女は意識を、
結標「――こっ、のぉッ!!」
失わなかった。
結標は絹旗の腹部に前蹴りを繰り出す。
だが、先ほどの軍用懐中電灯での打撃と同じように絹旗にはダメージが入っている様子はない。
結標もそのことは百も承知だった。
そのまま結標は絹旗の腹を壁のようにして、脚力を使って後方へ飛んで距離を取る。
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