結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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612: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/18(土) 22:13:39.17 ID:loyT3wilo


上条「――はぁ、はぁ、はぁ」


 上条当麻は第一〇学区の街中を走り、目的地である櫻井通信機器開発所の建物が肉眼で見えるくらいの位置まで来ていた。
 このペースでいけばあと二、三分でたどり着くだろう。
 走りながら施設の建物を眺めていると、


上条「なっ!? なんだあれは!!」


 建物の中から夕空に向かって青白い光線が発射されたのが見えた。
 サーチライトや花火とかそういうものと違う、禍々しい青白い閃光。
 それは一度だけではなく、五秒くらいの間隔で色々な角度で発射されている。
 光線はこちら側に向かって伸びてこないことから、建物の向こう側へ放たれていることがわかる。

 上条当麻はそれが何かはわからないが、これは能力者が何らかのチカラを使って放っている攻撃なのだと直感的に感じ取った。
 そこで思い出したのが、先ほど電話での初春飾利との会話。

 結標淡希を狙う暗部組織がいるかもしれない。


上条(まさか、あのビームみてえなのが発射されている先に結標が……?)


 この推測が当たっているのなら建物の向こう側へ行けば結標に会えるかもしれない。
 そうすれば上条にとっての第一目標が達成される。

 だが上条の視線はそちらではなく、青白い光線が発射地点に向いていた。

 あの光線の射程がそのまま光の線の長さだとするなら、それは数百メートルどころかキロ単位はあるように見える。
 建物から様々な角度で発射されているところから、建物の下の階の方から壁や天井をぶち抜いて外へ飛び出しているということになる。
 つまり、人間があの光線に命中してしまったらただでは済まない威力だということだ。

 だから上条は、結標がいるだろう方向ではなく光線が発射地点がある方向へと駆け出す。
 結標淡希に危機が訪れているかもしれない。その危機を取り除くことが出来るかもしれない。
 そんな不確定な可能性だけでも、上条当麻が動くための理由としては十分なものだった。


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