結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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607: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/18(土) 22:02:14.14 ID:loyT3wilo

黄泉川「上条。お前もしかして何か先生に言えないようなことやってんじゃないだろうな?」

上条「へっ? い、いやーそんなわけないじゃないですかあはははは」

黄泉川「じゃあこんなところで何やっているのか、きっちり説明してみるじゃん」


 黄泉川のあまりの迫力に上条は思わずたじろぎ後ずさりしてしまう。
 冷や汗が全身から滲み出て、目があちらこちらへとバタフライする。
 そんな状況にある上条に、救いの女神様から手が差し伸べられた。


 タラララ〜♪


 上条のズボンのポケットに入っている携帯電話から電子音が流れる。
 この音楽は電話の着信音だ。
 上条はポケットから携帯電話を取り出した。


上条「あっ、友達から電話だ! すみません黄泉川先生! あんまり先生たちの邪魔しちゃいけないし、俺行きますんで!」

黄泉川「ちょ、上条!?」


 上条は逃げるように黄泉川のいる方向から逆向きへ走り出した。
 走りながら携帯電話を通話モードにして耳へ持っていく。


上条「もしもし?」

??『え、えっと、上条さんの携帯電話で間違いないでしょうか?』

上条「その声は初春さんか」


 電話口から聞こえてきたのは、結標の捜索を買って出てくれた初春飾利という少女の声だった。
 彼女から電話がかかってくるということは、


上条「もしかして結標が見つかったのか!?」

初春『はい。五分程前の映像ですが、間違いなく結標さんの姿を捉えました』

上条「結標は今どこにいるんだ?」

初春『この映像は第一〇学区にある第三廃棄場近くの街頭カメラからのものです』

上条「わかった。すぐそこに行ってみるよ」


 上条は携帯電話の通話を切ろうとするが、


初春『あー! 違います待ってくださいー!』

上条「ん? 違うって何が?」

初春『この映像はあくまで五分前のものです。映っていた様子からしてどこかへ移動中のようでした。なので、今からそこに行ったところで出会えませんよ』

上条「ああ、そっか」


 たしかに徒歩でも五分あれば四、五〇〇メートルは移動できる。
 さらに早足や走りならなお広範囲に移動できるだろう。


初春『結標さんが研究施設を襲撃している犯人じゃないか、という話はしましたよね?』

上条「ああ。だから俺もこうやって施設の多い第一〇学区で結標を捜してんだから」

初春『私が見た限りだと、結標さんが監視カメラ等に映るときは研究施設を襲おうとして動いたときです』

上条「つまり、今結標はどこかの研究施設に行っている可能性が高いってことか?」

初春『そうです。このカメラの位置から一番近い研究施設は……櫻井通信機器開発所です』


 上条は一度携帯端末を耳から離し、研究施設の名前を地図アプリへ入力して検索する。
 画面に地図が映し出されて目的地へマーカーが表示され、ナビゲーションが開始された。


上条「……この距離なら走って一〇分くらいだな。よし」




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