596: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/11(土) 23:59:43.99 ID:EQdefISBo
初春「引っかかりました! これよりハッキングを開始します!」
そう言って初春はデスクに置いた私用のノートパソコンのキーボードを尋常でない速度でタイピングする。
黒子「ッ……」
その様子を見て黒子は息を飲む。
ディスプレイには大量のウインドウが出たりは消えたりを繰り返していた。
黒子にはわからないがハッキングに関するなにかのプログラムを走らせているのだろう。
黒子「……タイムリミットは『二分』」
黒子はそう呟いたあと、先ほど初春とした会話を思い出す。
『どんな凄腕のハッカーでも、おそらく侵入した私を補足して完全に動きを封じ込めるのには『二分』はかかるでしょう』
初春いわく、侵入すると同時に一〇〇以上のダミープログラムを侵入させる為、補足するのには時間がかかるらしい。
それを終えるまでの時間二分間を初春の中でのタイムリミットととしていた。
だが初春は、
『まあ、たぶん私なら一分ちょっとで完全掌握出来ると思いますので、心配しなくても平気ですよ』
と言っていたため、今から約一分後には向こう側にあるコンピューターを掌握して、偽装ツールを破壊していることだろう。
しかし、その会話をしていたとき黒子は一つの疑問を感じた。
もし、それが成功せずに、逆に完全に動きを封じ込められてしまったらどうなるのか。
それを聞いたとき初春は言った。
『うーん、そうなっちゃったら完全に詰みですね。その時点で履歴データとかは全部抜かれていると思いますので、こちらの情報が向こうに漏れてしまいますから』
だから、やられた時点でパソコンを物理的に破壊しても身バレは避けられないでしょうね、とも初春は言った。
黒子(頑張りなさい、初春……)
電子戦になると黒子には何も出来ない。
大能力(レベル4)という大きなチカラを持っていても、そんなもの何の役にも立たない。
だから、黒子は初春の勝利を祈るしかなかった。
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