結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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584: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/11(土) 23:37:31.79 ID:EQdefISBo


初春「――この状況を打破する方法、一つ思いつきました」


 風紀委員活動第一七七支部の一角。
 自席でキーボードを高速タイピングしながら初春がポツリと呟いた。


黒子「本当ですの初春!?」

初春「ええ、少々危険で真っ黒な方法ですが」


 そう言うと初春はディスプレイの一つにあるプログラムを映した。
 それを見て黒子が首を傾げる。


黒子「これは?」

初春「ウイルスです。ダウンロードした瞬間、そのコンピュータに自動的にバックドアを作成する強力なヤツです」

黒子「……なんで貴女がそんなものを持っていますの?」

初春「いやー、蛇の道は蛇って言うでしょ?」


 黒子は軽く頭痛がするのを感じた。
 もちろん原因は一線を走り幅跳びで越えていく目の前にいる相棒である。


初春「安心してください白井さん! これは一般的なウイルス対策ソフトはもちろん、機密程度のセキュリティレベルなら絶対に引っかからない代物ですので」


 さすがに書庫(バンク)のセキュリティレベルには引っかかりますが、と初春は付け加えた。


黒子「そんなことは心配してませんわ。貴女はそれを使って一体何をするつもりですの?」

初春「ヤツらのコンピュータにこのウイルスを仕込んでバックドア作り、そこを起点にハッキングして監視カメラ偽装ツールを破壊します」

黒子「……はぁ、見事に予想通りの返答で逆に驚きもしませんわ。しかし、そのウイルスを一体どうやって相手のコンピュータに仕込むつもりですの?」


 まさか馬鹿正直にメールで送りつけるとかいいませんわよね? と黒子は顔をしかめる。
 質問に対して初春はニッコリ笑顔で、


初春「その辺はたぶん大丈夫だと思いますよ。偽装ツールを使うときは必ず監視カメラから動画データをダウンロードしているはずです。だから、そこを狙います」

黒子「なるほど。偽装されそうな監視カメラを特定して、そこにウイルスを仕込むということですわね。バレたら少年院行き確定ですわよ?」

初春「少年院に行かせるような人たちにはバレないとは思いますので、そこは問題ないと思います。しかし」


 初春の顔に少し陰りが見えた。


初春「バレるとしたらこの相手に、ですかね」

黒子「たしかに初春に匹敵する技術を持っている相手ですから、ウイルスに対応できるようなセキュリティを持っているかもしれませんわね」

初春「いや、そこはたぶん大丈夫だとは思うんですけど。問題はハッキングしているときです」

黒子「どういうことですの?」

初春「相手のコンピュータ内部のプログラムを破壊するんですから、こちらもそれなりの代償を払わなければいけないということですよ」





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