結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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572: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/11(土) 23:07:18.23 ID:EQdefISBo


円周「……うーん、ここをどーんってやってかーんって感じでやればいけるかなあ?」


 木原円周。
 お団子頭を左右に揃えた黒髪で、首には携帯電話・小型ワンセグテレビ・携帯端末をストラップをつけてぶら下げているのが特徴。
 『従犬部隊(オビディエンスドッグ)』という会社のオフィスに居候している中学生くらいの少女だ。
 フローリングに座って、部品やら工具やらを広げて何かを組み立てている様子だった。


円周「やっぱり違うかなあ? ぽーん、って感じ? いや、きゅいーんってのも捨てがたい」

数多「何一人でわけのわからねえことブツブツ言ってんだ?」

円周「あっ、数多おじちゃん」


 円周を見下ろしている数多おじちゃんと呼ばれている男。
 木原数多。色素を抜いたような金髪と顔面左部分に大きく刺青を入れている、従犬部隊の社長をしている科学者だ。
 科学者だからか会社の社長という立場なのに白衣を袖に通していた。


円周「ちょっといろいろ実験しているんだー。ねえ数多おじちゃん、ぱこーん、と、どかーん、はどっちが正解だと思う?」

数多「わかるか。ちゃんと日本語で喋れ」


 円周の奇天烈発言を適当に流し、数多はA3用紙が丸々入りそうな大きな黒いカバンを持って玄関の方へ向かう。


円周「あれ? 数多おじちゃんおでかけ?」

数多「昼飯食ってるときに言っただろうが。仕事だよ仕事」

円周「本当にー? 真っ昼間からえっちな店に行くつもりなんじゃないのー?」

数多「そんな暇人みてぇなことはしねぇっつーの。俺はあいにくと大忙しなんだよ」

円周「じゃあ一体何の仕事に行くつもりなの?」

数多「何って、ただの開発関係の打ち合わせだ」

円周「曖昧な言い方だなー。これはあれだね、女の子身体を開発する的な意味の開発なんだね」

数多「んなわけねぇだろ。つかお前最近下ネタ多いぞ? 一体誰の思考をトレースしてやがんだ」


 数多は呆れた顔で靴を履き、玄関のドアへ手をかける。


数多「晩飯までには帰る」

円周「帰りにケンタッ○ーのフライドチキン買ってきて」

数多「あん? お前そんなもんが食いてぇのか?」

円周「うん。今日の私はそういう気分なんだあ」


 目を輝かせながらこちらを見てくる円周を見て、数多はため息を吐いて、


数多「へいへい。買ってきてやるから帰るまでにそのガラクタ片付けとけよ」

円周「わあい」


 無邪気に喜ぶ少女をよそ目に、数多はドアを開け部屋の外へと繰り出した。


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