結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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571: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/11(土) 23:05:43.63 ID:EQdefISBo


 第一〇学区にある廃工場。
 錆びついた機械や中身のない埃のかぶったコンテナが積まれているところから長い間放置されていることがわかる。
 人一人いないそんな廃墟に一台の白いバンが入ってきた。
 物資の搬入口付近に停まり、中から一人の男が出てきた。
 短髪に丸メガネをし、白衣を上から着ているいかにもな研究職の人間だ。


研究員「お、おい! 来たぞ! どこにいいる!」


 周りに他の人がいないからか、大声で誰かを呼んでいる様子だ。


研究員「早く来い! 私も忙しいんだ! 座標移動を早く引き渡せ!」


 しかし、いくら研究員の男が叫んでも誰一人返事がない。
 おかしいなと思ったのか男がなにかを確認するためか、携帯端末を取り出したとき、


 ガキキキキキッ!!


 という金属が捻じ曲がるような音が背中から聞こえてきた。


研究員「なっ、何だ!?」


 異様な音に驚き、後ろへ目を向ける。
 そこに映ったのは、上から落石でも受けたように天井から潰れているバンだった。
 予想外の光景に男はひっ、と小さな悲鳴を上げる。
 潰れたバンの中から一人の少年が立ち上がった。
 学園都市最強の少年が。


一方通行「よォ、オマエだよなァ? あのスキルアウトどもに結標淡希の捕獲を依頼した三下野郎はよォ?」

研究員「お、お前はあ、一方通行ッ!?」

一方通行「ほォ、俺のこと知ってンのか? それなら話が早ェ」


 そう言うと一方通行は軽くバンを踏みつける。
 バガン、という轟音を上げ足元にあったバンが鈍角のVの字にひん曲がった。
 同時に少年はふわっと宙に浮かび上がり、男の目の前に着地する。


一方通行「この俺に逆らったらこォいうことになるってことぐれェ、すでに理解しているっつゥことだよなァ?」

研究員「な、なぜお前がこんなところにッ!? スキルアウトどもはどうしたッ!?」

一方通行「さァな? その不細工な顔ォグッチャグチャに整形してみれば、もしかしたらわかンじゃねェのかなァ?」

研究員「ひっ、ひぃ!?」


 男はあまりの恐怖に腰を抜かして尻餅をついてしまう。
 一方通行はそれを見下ろしながら、悪魔の笑顔を浮かべ、


一方通行「オマエらのアジトを教えろォ。そォしたらこのまま何事もなかったかのよォに見逃してやるからよォ?」


 人一人すらいないはずの廃工場。
 そこから悲痛な断末魔が鳴り響いた。


―――
――






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