570: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/11(土) 23:03:13.49 ID:EQdefISBo
海美「進捗状況はあまり良くはないわね」
ショチトル『どういうことだ? こちらが送ったツールとやらを使ってはいないのか?』
海美「使っているわよ。そのうえで良くないと言っているのよ」
「このままじゃ他の組織が先にターゲットを捉える可能性があるわ」と海美は付け加えた。
ショチトル『それは困る。どうにかしろ』
海美「どうにかと言われてもこっちが困るのだけど。こちらも優秀なハッカーが工作しているけど、向こうは向こうでそれを上回る技術を持っているみたいだし」
ショチトル『そんな事情こちらとしては知ったことではない。出来ないというのであれば貴様らの目的のものをこちらで潰す。そういうことになるが』
ショチトルの発言をスピーカーで聞いていた垣根は舌打ちをし、海美の携帯端末を取り上げた。
海美「ちょ、ちょっと――」
垣根「わかったわかった。こちらとしてもスケジュールは守る。そのほうがこちらとしてもメリットがあるからな」
ショチトル『当然だ』
垣根「だが、これだけは言っておくぜ」
垣根の表情が変わる。いや、正確には彼のまとっている雰囲気が。
立ち塞がるものは全て破壊してやる。邪魔するヤツは全て殺す。歯向かうものは絶対に許さない。
そんな彼の意思をそのまま現したようなドス黒いものへと。
垣根「テメェらとは利害の一致で手を組んでいるに過ぎねえ。部下になったつもりも仲間になったつもりもねえ。だから、あんまり調子乗ってると皆殺しにすんぞ?」
そう言い残すと垣根は手に持った携帯端末を握り潰した。
バラバラになった端末が部品と残骸になって床に落ちて散乱する。
海美「……もう! その端末のデザイン気に入ってたんだけど?」
垣根「悪い。ついやっちまった。反省はしてねえ」
垣根は適当に謝りながら部屋の奥へと足を進めていく。
海美「どこに行く気かしら?」
垣根「誉望のところ。俺もそろそろ仕事しねえとな」
ニヤリと笑う垣根の背中に一瞬だが天使の羽根のようなものを海美は見た。
目の錯覚のような現象だったが海美は特に驚くことなく見送る。
なぜなら、それが彼の超能力者(レベル5)としてのチカラだと知っているからだ。
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