569: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/11(土) 23:01:05.96 ID:EQdefISBo
海美「あら? 垣根じゃない。別に。ただ誉望君とお仕事の話をしていただけよ?」
垣根「へー、そうか。スピーカーにしてどういう状況になっているのか話せ」
言われた通り少女は端末を操作してスピーカーモードにする。
そこから誉望により事細かく状況説明が行われた。
垣根は説明を聞き、口角を上げる。
垣根「別にいいじゃねえか。放っておけよ」
羨望『えっ、いいんスか? このままじゃ計画が狂ってアイツらとの協定違反になってしまうんじゃ……』
垣根「その謎のハッカーとやらの裏にヤツがいるかもしれねえんだ。俺が興味あるのはヤツだけだからな」
不敵な笑みを浮かべつつ垣根は続ける。
垣根「大体、協定違反になったところで俺たちには何にも関係ねえだろ。逆らえば潰す。それだけだ」
海美「正直、私はあの組織との正面衝突は避けたいのだけど。いくら超能力者(レベル5)第二位のあなたがいるからと言ってもね」
垣根「そうかよ。なら、せいぜい死なねえように周到に生き残る準備しとくことだな」
そういうわけでそのまま情報操作は続行だ。
そのセリフを聞いて電話先の羨望は「はい」と一言だけ返し電話を切った。
海美「ところで貴方は今までどこに行っていたのかしら?」
垣根「ただの昼休憩だよ」
海美「そう。せっかくなら誘ってくれたら良かったのに」
垣根「俺に昼飯代奢らせようとする気満々の女なんざ誘うわけねえだろ」
海美「それは残念」
クスリと笑う少女を見て、垣根は舌打ちをした。
そんな中、再び海美の持つ携帯端末に着信が入る。
垣根「あん? また誉望の野郎か?」
海美「いいえ、違いそう。……こちら心理定規」
?????『……私だ。進捗状況を聞くために電話した』
電話口から聞こえてきたのは少女の声だった。
幼さを残した声色とは裏腹に冷静かつ自信に溢れたような。
海美「どうでもいいけど名前くらい名乗ったほうがいいと思うけど? 誰かわからないから名乗れ、っていう面倒なやり取りが起こるかもしれないからね。ショチトルさん?」
ショチトル『貴様はそんな面倒なやり取りをさせるような輩ではないだろう』
彼女の名はショチトル。垣根たちスクールと同等のランクの暗部組織『メンバー』に所属する少女。
海美が知っているのはその程度の知識であった。
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