結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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557: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 23:28:19.34 ID:WGxiRQYAo


上条「そう……だったのか」


 上条が落胆したような声を出す。
 ここは風紀委員活動第一七七支部の事務所。部屋の中にある応接スペースのソファに少年は腰掛けていた。


初春「まさかそんなことがあったなんて……」


 上条の隣に居る初春も似たような反応だった。


美琴「そうよ。今話した話は憶測部分を除けば全部事実よ」


 目の前に座っている美琴が肯定する。

 美琴と黒子は昨晩あったことを二人に話した。
 一方通行には口止めをされていた。
 しかし、実際に事件の重要部分に関わっている初春と、事件の延長線上で関わった上条にはきちんと話しておくべきだ。
 そういう判断だった。


初春「ぐっ、私がリアルタイムでダミーの映像に気付けなかったせいでそんなことに……情報分析担当失格ですっ」


 葉を食いしばる初春。
 あっさりと出し抜かれてしまった自分への戒めの気持ちと、電子戦という自分が一番得意とする分野で不覚を取ったことによる悔しさが、彼女の中で渦巻いているのだろう。


黒子「気にするなとは言いませんわ。しかし、過去をいくら振り返ったところで意味はないですの。考えるべきはこれからのことでは?」

初春「……はい!」

 
 対面いる黒子からの言葉に、初春は力強く返事をした。


上条「結標の記憶喪失が治ってたなんて全然知らなかった。何で教えてくれなかったんだよ一方通行」

美琴「たぶん、アイツなりにアンタを巻き込みたくないと思ってのことだと思う」

上条「……ふざけんじゃねえ」


 上条は膝の上に置いた拳を力強く握りしめる。


上条「巻き込みたくないって、俺だってアイツとは友達なんだよ。それなのに、友達が大変なことになってるってときに蚊帳の外なんて、そんなのねえよ……」

美琴「それでアンタはこの話を聞いてどうするつもりなのよ?」

上条「決まってんだろ! 結標を捜す!」


 今まで伏し目がちだった顔を上げる。





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