結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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556: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 23:27:13.30 ID:WGxiRQYAo



一方通行「チッ、遅かったか……」


 一方通行は新井植物科学研という研究施設の周辺にいた。
 この研究施設も彼の持つファイルの中にあるリストに載っていた、過去に結標淡希が実験を受けた空間移動能力者(テレ ポーター)を研究する施設だ。
 なぜ一方通行がここにいるのか。


一方通行(建物ン中から次々と避難している研究員たち。つまり、予想だけは当たってたっつゥことか)


 一方通行は狙われた研究施設四つの共通点を考えた。そこで浮かんできたのは規模の大きさだった。
 大々的な研究をするためにはある程度のまとまった資金が必要だし、機材を置くためのスペースだって必要だ。
 それに大きい研究所なら自然と集まるデータも膨大になる。
 その共通点を前提に、一方通行は最後に狙われた施設であるSATO新エネルギー開発から最も近い、かつ同程度の規模の研究施設。
 そこに結標淡希が現れると予想をして、この場にたどり着いた。
 しかし、そこに広がっていた光景は、警報音のようなものを鳴らしている建物内から避難している研究員たちだった。


一方通行(あンだけ人が避難してるっつゥことは侵入してもォだいぶ経ってやがる。アイツはすでに逃げたあとだろう)


 間に合わなかったものはしょうがない。
 そう考え、一方通行は携帯端末で地図アプリを起動する。


一方通行(ここから近い同程度の施設っつったら……チッ、一〇キロ圏内だけでも三つもありやがる)


 端末のディスプレイに表示されているのは自分の位置を表す三角形と、そこから東西南の位置に一つずつ目的地のマークが記されていた。
 一方通行はとりあえず一番近い位置にある目的地へタップし、ナビゲーション機能を起動する。
 それと同時に首元にある電極のスイッチを入れた。
 地面を蹴り、目的地のある方角へ飛び上がる。


一方通行(クソが、こンなンじゃ一生アイツに追いつけねェぞ? どォにかしやがれ一方通行)


 ビルの屋上を弾丸のような速度で飛び移っていく。
 彼の表情はいつも以上に険しいものだった。


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