結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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548: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 23:15:31.05 ID:WGxiRQYAo


上条「じゃあ行くよ。世話になった」


 上条が出入り口のドアのノブに手をかける。
 が、そのドアノブが回されることはなかった。


黒子「先ほど拝見させていただいた傷口についてなのですが、皮膚や肉がまるで釘に押しのけられたように周りに広がっていましたわ」


 黒子が腕を組み壁に背を預けながら、上条の怪我についての話を始めたからだ。


黒子「普通に刺さったのでしたら、あのような形にはなりませんわ。しかし、わたくしはそのような怪我を負わせる方法を一つ知っておりますわ。なぜならわたくしも同じ怪我を負ったことがありますから」


 全てを見透かしたように少女は言葉を続ける。


黒子「その傷、もしかして空間移動能力者(テレポーター)が行う物質の転移によって負ったものではありませんか?」

上条「ッ」


 上条がピクッと少女の言葉に反応した。
 それをは確認した美琴が彼女の言いたいことを察したのか、打ち止めの方を見る。


美琴「打ち止め。ごめんだけど私たちちょっと話があるから、先に佐天さんとファミレスに行っててちょうだい」

打ち止め「へっ? う、うんわかった、ってミサカはミサカは了承してみる」

美琴「佐天さん。お願い」

佐天「あっ、はい。……じゃあ行きますか打ち止めちゃん」


 そう言って佐天は頭にハテナマークを浮かべている打ち止めの手を引いて、一七七支部の部屋を出ていく。
 佐天もただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、特には言及することはなかった。


黒子「さて、初春。貴女も一緒にお昼に行ってきなさいな。居ない間はわたくしがここで留守番しておきますので」

初春「……白井さん。一つ聞いてもいいですか?」

黒子「何ですの?」


 初春が黒子を見る。その表情からはいつもののほほんとした雰囲気は感じられない。
 問い詰めるかのような口調で初春は聞く。


初春「もしかして上条さんの怪我の原因は、昨晩の事件に関係しているんじゃないですか?」

黒子「…………」


 昨晩の事件。それだけで彼女が何が言いたいのか、黒子は理解していた。
 理解していたからこそ、黒子は何も答えない。
  
 喋らない黒子に対して、初春はジッと彼女を見つめながら、
 




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