結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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546: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 23:12:48.21 ID:WGxiRQYAo


黒子「続いて洗浄スプレーで傷口を洗い流します。少し痛むとは思いますが我慢してくださいな」


 黒子は救急セットとからスプレー缶を取り出す。生理食塩水を噴射することができる医療用のスプレーだ。
 蓋を開けて、傷口に向かって噴射する。
 

上条「ッ……!?」


 上条が痛みで顔を歪める。
 負傷部分の周りにあった血液や汚れが一気に流されていく。


黒子(こ、これは……!)


 あらわになった傷口を見て黒子は目を細めた。それを見て何かに気付いたという様子だ。
 だが、彼女は止まらず応急処置を続行した。
 黒子は救急セットからチューブ状のものを取り出す。


黒子「対外傷キットですの。これで傷口を塞ぎますわ」


 新品のタオルの封を一枚切り、そのタオルで肩の周りにある血液や水分を拭き取る。
 そのあとチューブを押し、ジェル状のものを手にとって傷口に塗りつけた。
 ドロドロだったジェルは次第に固まっていき、傷口を塞ぐ蓋となる。
 
 傷口がふさがったことを確認した黒子は、包帯を取り出し鮮やかな手さばきで巻いていく。


黒子「これで処置は完了いたしましたわ」

上条「お、おう……」


 黒子の手際の良さに驚いているのか、上条は唖然とした様子だった。
 気にせず黒子はいくつか未開封のタオルを手に取り、


黒子「あとはタオルを何枚か渡しますので、血で汚れた体をそれで拭いてくださいな。それくらいは一人で出来ますわよね?」

上条「……ああ、サンキュー白井」

黒子「ふんっ、これはあくまで応急処置ですので。このあと病院に行き、然るべき処置を受けることをおすすめいたしますわ」


 不機嫌そうに眉を上げて、黒子は推奨する。
 一連の応急処置の様子を見ていた佐天が目を輝かせながら、
 

佐天「おおおおおっ!! さすが白井さん! 初春なんかとは比べ物にならないね」

初春「ちょ、ちょっと佐天さん! それは聞き捨てならないです! 私だって同じ訓練を受けているんですからね!」


 初春が顔を真赤にしながら反論する。
 何やってんだか、とそれを見ている黒子へ、美琴が名前を呼んで、


美琴「ありがとね。助かったわ」

黒子「いえ。ジャッジメントとして当然のことをしたまでですの」


 じゃなければ誰が好き好んであんな腐れ類人猿の怪我の治療なんか。
 ぶつぶつと負のオーラをまとっているような後輩を見て、美琴は苦笑いする。




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