結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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544: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 23:09:02.88 ID:WGxiRQYAo


 黒子は自席で頬杖を突きながら、パソコンのディスプレイをぼーっと眺めていた。
 画面には一人の少女のパーソナルデータが映し出されている。
 
 
黒子(……どうやらあの人の話は本当だったようですわね。たしかに結標淡希は去年の一一月に霧ヶ丘から別の高校へ籍を移している)


 黒子が見ているのは結標淡希の情報。風紀委員(ジャッジメント)の権限を使い書庫(バンク)から入手したモノだ。
 顔写真や能力、学歴といったプロフィールのデータがまとめられている。
 彼女が見ているのは学歴の部分。『霧ヶ丘女学院 入学』の次の行には、以前見た時には書かれていなかった文字列があった。
 

黒子(――高等学校。……はて、どこかで聞いたことがあるような。まあ、その程度の認識ということは、別に名門校とかではないということですわね)

 
 他にもいろいろ見てみたが、これと言って役に立ちそうな情報はなさそうだった。
 黒子がため息を吐くと、


美琴「――黒子!!」


 第一七七支部の部屋内に美琴の声が鳴り響いた。
 それを聞いた黒子が体をビクッ、とさせて入り口の方を見ながら、


黒子「な、なんですのお姉様? そんな大声で呼んで……ってあ、貴方は!?」


 入口の方向を見た黒子の表情に驚きと、嫌なモノを見たときのような色が浮かぶ。
 目に映ったのは御坂美琴、と彼女に体を支えてもらっている少年、上条当麻だった。
 応接スペースで遊んでいる二人の少女もそれを見て、
 

佐天「御坂さーん。このあとお昼にファミレスに行こうって話してて――あっ、上条さんだ! どうしてこんなところに!?」

打ち止め「わーい、ヒーローさんだ……ってええっ!? ち、血がだらだら垂れてる!? ってミサカはミサカは突然のバイオレンスな光景に戸惑いを覚えてみたり」

上条「あ、あれ? 俺ジャッジメントの支部に入ったんだよな? なんだこのメンツ」


 明らかにジャッジメントと無関係そうな少女たちがワイワイ騒いでる様子を見たせいか、上条は困惑した顔をしていた。


美琴「黒子、ちょっと救急箱貸してちょうだい。コイツすぐに手当してあげないと」

黒子「そ、それはよろしいですが、そのような怪我なら病院に行ったほうが良いかと思いますが……」

美琴「なんか知らないけど病院行きたがらないのよコイツ」

上条「…………」


 上条のバツの悪そうな表情を見て黒子はため息を付く。


黒子「何か訳ありってことですわね。わかりました。わたくしが治療いたしますので、その殿方をソファに座らせてくれます?」

美琴「えっ、でも黒子……」

黒子「お姉様。素人が下手に触って怪我を悪化させたりしたら大変ですの。ここはジャッジメントとして訓練を受けている、わたくしにお任せくださいませ」

美琴「……ありがと、黒子」





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