543: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 23:07:38.78 ID:WGxiRQYAo
ビルの入り口から徒歩一分もかからないところに自動販売機はあった。
中身のバリエーションは、相変わらず学園都市独特の変わった飲み物が並んでいる。
だが、彼女たち学園都市の住人からしたら見慣れたものなので、特に気にすることなく硬貨を自動販売機へ入れていく。
美琴「――黒子が黒豆サイダーに打ち止めもヤシの実サイダーで」
自販機で買い物をしていると美琴の耳にある足音が聞こえてきた。
足音というのは普通一定のリズムを刻んでいるようもなものだが、それは不規則かつ安定しないリズムで聞こえてくる。
こんな時間から酔っ払った大人でもいるのか、と美琴は怪訝な表情で音の発生する方向へ目を向けた。
その目に飛び込んできた光景を見て、少女はぎょっとする。
美琴「ちょ、ちょっとアンタ!? どうしたのよその怪我!!」
上条「……み、御坂、か?」
そこには左肩を抑えてふらつきながら歩く上条当麻がいた。
肩には釘のようなものが刺さっており、そこから出血したのか腕を伝って左の手から赤い液体がポタポタ垂れていた。
美琴は携帯電話を取り出し、
美琴「びょ、病院、救急車呼ばないと……!」
上条「ま、待て御坂! そんな大した怪我じゃねえよ」
美琴「でも、血が……」
救急車を呼ぶことを拒否した少年に戸惑う美琴。
しかし、本人が言うような大した怪我じゃないことは目を見て明らかだ。
何が何でも早く治療しないと、と少女は思い、
美琴「……私の肩に捕まって」
上条「な、何で――」
美琴「いいから!!」
上条「お、おう……」
美琴の迫力に負け少年は大人しく言う通りにした。
上条当麻の体を支えながら美琴は先ほどまで自分がいた、ジャッジメントの第一七七支部のあるビルへと足を進める。
ゆっくりとしたペースで階段を上がっていき、呼び出し用のインターホンを鳴らさずにドアを勢いよく開けた。
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