541: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 23:05:47.21 ID:WGxiRQYAo
佐天「――つまり映画とは、最初の一〇分でそれが面白いかどうかを判断することができるのだ!!」
打ち止め「うおおおおおおおっ!! ってミサカはミサカは拍手喝采を送ってみたり」
一時間ほど前に一七七支部に遊びに来た少女、佐天のネットから持ってきた眉唾ものの話一つ一つに目を輝かせる打ち止め。
そんな二人をヤシの実サイダーという缶ジュースを片手に美琴は眺めていた。
美琴(そろそろここを出ようかって思ってるけど、佐天さんと楽しそうにしているのを見るとなかなか言い辛いわね)
佐天「あとこの噂知ってる? 超能力者(レベル5)には何と幻の八人目の能力者がいるっていう話」
打ち止め「うん、さすがのミサカでもそれは知ってるよ、ってミサカはミサカは得意げに答えてみたり」
佐天「あちゃー、知られてたかー。やっぱこれは有名な噂話だったかな」
打ち止め「噂話というか、その八人目の人ってミサカがよくしって――はっ、これはトップシークレットだった、ってミサカはミサカはお口にチャックをしてみたり」
佐天「えっ!? もしかして打ち止めちゃん八人目が誰か知っているの!?」
打ち止め「し、知らないよー、すひゅーすひゅー、ってミサカはミサカは露骨な態度で誤魔化してみたり」
教えろー、と言いながら佐天は打ち止めの脇腹をくすぐる。
あまりのくすぐったさにギャーギャー騒ぐ打ち止め。
その騒音で仕事のためにキーボードを叩いていた黒子の額に青筋が浮かぶ。
黒子「ちょっと佐天! あんまり騒ぐようならここから出ていってもらいますわよ!」
佐天「ええぇー? ちょっとくらいいじゃん。ほらほら打ち止めァー、ネタは上がってるんだぜい! 吐け吐けー!」
打ち止め「し、しらっ、しらな、はひっ、ミサカは第八位の超能力者なんか――」
くすぐられて呼吸困難になっている中、打ち止めの脳裏には超能力者(レベル5)第八位の少女、結標淡希の姿が浮かんだ。
半年という短い期間。だが打ち止めにとっては、生まれてから今までの半分以上の期間を一緒に過ごしたお姉さんのような存在。
その楽しかった思い出たちが次々と流れていった。
それと同時に、一方通行から告げられた一言も思い出していた。
『オマエの知っているアワキお姉ちゃンは、もォこの世にはいねェンだよ』。
その瞬間、打ち止めのつぶらな瞳から大粒の涙が流れた。
それに気付いた佐天が少女からぱっと手を離す。
佐天「ご、ごめん! 痛かった!?」
打ち止め「う、ううん、平気だよ! ちょっと笑いすぎて涙出ちゃっただけだよ、ってミサカはミサカは最もなことを言ってみる」
黒子「まったく貴女って人は。加減というものを考えなさいな」
気をつけますー、と佐天は頭を掻いた。
そんな彼女を横目に、黒子はポケットからハンカチを取り出し打ち止めに差し出す。
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