結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
1- 20
540: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 23:03:21.80 ID:WGxiRQYAo


 時間を見る。ちょうど昼の一一時を回ったところだった。


一方通行(昨日の最初の襲撃が深夜一二時から一時の間。これは人目のつかない深夜だからこの時間にスタートしたってことか……いや)

一方通行(そもそも記憶が戻ったのが夕方のことだ。そこから自分の状況を把握して、研究所襲撃をするという行動方針を決めるのにそれなりの時間がかかったはずだ)

一方通行(つまり、夜じゃねェと襲撃しねェっつゥ固定概念を持っちまうのは危険だ。大事なチャンスを逃すかもしれねェ)


 携帯端末を眺める一方通行の耳に、なにやらざわついた音が聞こえてきた。
 何かと思い、音のする阿部食品サンプル研究所第三支部の建物がある方へ目を向ける。
 そこには慌てて研究所から出ていくアンチスキルの姿があった。


一方通行(……何だ? 昼休憩にはまだ早いだろォに)


 たまたま近くに見張りを続行しているアンチスキルの男がいたため、一方通行は聞き込み調査を始める。


一方通行「オイ」

アンチスキル「うん? 何だお前?」

一方通行「あそこで大急ぎで退却しているお仲間がいるが、何かあったのか?」

アンチスキル「ああ、あれだよ。今朝のニュースでやってただろ? 研究所の襲撃事件。あれの四つ目が今発生したらしい……おっと、こんなこと一般人に言っちゃいけねえや。忘れてくれ」

一方通行「そォか。アリガトよ」


 お礼を言って、研究所のある方向から真逆の道を歩いていく。


一方通行(表はオマエの襲撃で大騒ぎしてるっつゥ状況で、こンな昼間っから動くなンざ随分な余裕じゃねェかよ)


 一方通行の口元は、引き裂いたような笑みを浮かべていた。


―――
――






<<前のレス[*]次のレス[#]>>
841Res/1732.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice