532: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 22:53:14.68 ID:WGxiRQYAo
土御門「とりあえず結標は生きて回収する。そのためにお前たちは常に対空間移動能力者用の拘束具を常に携帯しておけ」
黒夜「面倒臭いなー。脳みそが無事ならいいって書いてあるんだから、サクッと心臓ぶち抜いて上に報告すりゃいいと思うけどね」
海原「結標さんは仮にも超能力(レベル5)の能力者ですよ? そう簡単に殺せるとは思わないことですね」
黒夜「なにブルっちゃってんですか海原クン? ちょっと前まで大能力者(レベル4)だった女に、この私が遅れなんて取るわけないだろ?」
番外個体「同じくレベル4のミサカに手も足も出ないクロにゃんが随分と強気じゃないかにゃーん?」
自分の両手人差し指の先を向かい合わせて、間に電気を走らせながら番外個体はニヤニヤする。
黒夜「うるせェ! アンタは別だよ別ッ!」
番外個体「というか座標移動がレベル5になれたのって記憶喪失してたおかげじゃなかったっけ? トラウマを忘れているから自由自在に自分の転移をできるからって」
海原「ええ、たしかそのはずです」
番外個体「でも今の座標移動は記憶喪失治っちゃったんだよねー? てことはまた自分自身の転移ができないレベル4に戻っちゃったことじゃないの?」
土御門「それに関してはそう簡単ではなさそうだぞ」
土御門が報告書のようなものを見ながら、会話に割って入る。
土御門「結標と接触した下部組織の連中からの話によると、連続転移を使用していたらしい。それによる体調不良も見られなかったそうだ」
番外個体「へー。つまり、完璧な座標移動に加え、テロリスト時代の知識と戦闘技術を持っているってことか。クロにゃんじゃ負けそう」
黒夜「何だとッ!?」
海原「99.9999999%負けますね」
黒夜が額に青筋を立てながら、椅子から立ち上がった。
ギロリと目線を海原へと向ける。
黒夜「……よォし、まずオマエから殺してやる。座標移動はそのあとだッ!!」
番外個体「い・つ・も・の♪」
いつの間にか番外個体が黒夜の後ろに回り込んで、電磁波を浴びさせていた。
黒夜はサイボーグだ。二本の腕やそれを支える肩甲骨部分を中心に、上半身の各所を機械化している。
そのため、発電能力者の番外個体とは相性が最悪だ。
黒夜「あばばばばばばばばば!! だから電気はやめめめめめめめめめめめめ!!」
このように制御を奪われたりして玩具にされるからだ。
目を回しながらロボットダンスみたいなことをしている黒夜を見て、ため息交じりに土御門が頭を抱える。
土御門「……お前らいい加減にしろ。遊ぶなら任務が終わってから勝手にやれ」
はーい♪ という反省する気のない返事をして、番外個体は黒夜を開放した。
自由の身になった黒夜は、番外個体の座っている場所とは対角線の位置に座り、涙目でブツブツ何か言っていた。
静まったことを確認したあと土御門は続ける。
土御門「とにかく、オレたちの目的は結標淡希を生きたまま確保することだ。勝手に殺すのは認めない。その目的に立ち塞がる者がいれば全て潰せ。それがスクールだろうとアイテムだろうと――」
土御門のサングラスの奥の目付きが変わる。
いつもの悪ノリをしているときのようなおちゃらけた目付きから。
獲物を見据えた冷酷な狩人のような瞳へと。
土御門「第一位だろうと、な」
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