結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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531: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 22:51:30.71 ID:WGxiRQYAo


 第七学区。人通りの少ない裏通り。
 道路沿いに黒塗りのキャンピングカーが一台停まっていた。
 その中にある居住スペースに四つの人影があった。


黒夜「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃッ!! どうだい!? 今までちまちまと守り続けたモンがあっさりとぶち壊される気分はさぁ!?」

土御門「…………」


 黒を基調にしたパンク系衣装に身を包んだ見た目一二歳の少女、黒夜海鳥は高笑いしながら居住スペースに備え付けられているモニターに指をさす。
 モニターには白の背景に黒色の文字が並んでいるというたんぱくなものであった。
 書かれている内容は『座標移動(ムーブポイント)の回収。生体が好ましい。死体の場合、脳髄及び脊髄への損傷は避けること』。
 これが暗部組織『グループ』へ通達された指令であった。


黒夜「この指令はおそらく他の暗部組織にも流れているよ。スクールとかアイテムとか同ランクの組織はもちろん、名前も知らないような弱小組織とかにもねェ!」

海原「…………」

黒夜「始まるのさ!! アンタらがビビって先延ばしにしてきた抗争がねッ!! 座標移動っていう獲物を巡って起こる楽しい楽しいコロシアイがなァ!!」

番外個体「嬉しそうだね。クロにゃんのそんな笑顔始めて見た気がするよ」

黒夜「そういうアンタもイイ顔してんじゃないのさ。番外個体(ミサカワースト)」


 棒付きキャンディを口に咥えながら番外個体と呼ばれる少女はニヤリと笑う。


番外個体「そだね。座標移動が堕ちたってことは必然的にミサカのターゲットも堕ちてくるってことだからね」


 咥えていたキャンディを噛み砕く。飴の欠片がソファや床にボロボロと落ちていった。


番外個体「早く会いたいなぁー、第一位♪」

土御門「……お前ら、盛り上がるのは勝手だがあくまで仕事の内容は座標移動、結標淡希の回収だ。それを忘れるな」


 金髪サングラスでアロハシャツの上から学ランを着た少年、リーダー土御門元春は冷静に忠告する。


黒夜「ヘイヘイわかってるよ。だからわざわざ私が報道関係に働きかけて、あの女がやらかしたことを表沙汰に出してやったんでしょうが」

番外個体「へー、あれってクロにゃんの仕業だったんだ。そういうチマチマした仕事はやらなそーな感じなのにねー」

黒夜「まあたしかに好きじゃないよ。でもこれをすることで、一番最初に動いた組織をおびき出すエサにできるからね。さっさとバトりたい私からしたら大事な下準備ってわけさ」

海原「そんなエサに引っかかってくれるほど、簡単な相手ではないとは思いますけどね」


 見た目爽やか少年の、海原光貴と名乗る男はやれやれといった感じに首を振る。


黒夜「うるせえな、そんなことはわかってるよ。だけど、これのおかげ座標移動の動きを制限させて生存率上げてやってんだ。感謝はされても文句を言われる筋合いはないね」

海原「ですがそのおかげで、こちらも結標さんの動向を掴むのに難航しているということも忘れないでください」


 黒夜は舌打ちをし、バツの悪そうな顔でフライドチキンを頬張った。





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