結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
1- 20
528: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 22:47:22.22 ID:WGxiRQYAo


 表の世界や学園都市の闇などという言葉を平然と口に出す芳川。
 そんな彼女を見ながら美琴は尋ねる。


美琴「芳川さん。あなたは一体……」

芳川「私は学園都市の抱える闇の一端に触れていた元研究員。それは貴女もよく知っている闇だと思うわ」

美琴「……まさか」


 美琴はふと隣に座る打ち止めを見た。
 マグカップを両手に持った打ち止めがそれに気付いて、首をかしげる。
 
 
芳川「そう。『絶対能力者進化計画(レベル6シフト)』。貴女が最も忌み嫌っているだろう実験に協力していたたくさんの研究者たち、そのうちの一人よ」

美琴「ッ……!」


 美琴の目が大きく見開く。バチッ、と彼女の体に紫電が走った。
 その音にビクッ、とさせた打ち止めが慌てながら、
 
 
打ち止め「お、お姉様!? どうかしたの、ってミサカはミサカは聞いてみる」


 打ち止めの言葉は美琴には届かなかった。
 まっすぐと芳川を睨みながら美琴が問いかける。
 
 
美琴「なんであんな実験を行ったのよ……!」


 美琴の鋭い視線に動じることなく、芳川は答える。
 

芳川「私は雇われの研究者だったから、と言っても貴女には言い訳にしか聞こえないかしら?」

芳川「それとも、この実験自体がなぜ行われたのかと聞いているつもり? それなら、貴女のほうがよく知っていると思うけど」


 ぐっ、と美琴はたじろぐ。
 たしかにこの質問には最適解などない。つまり、意味のない八つ当たりのような質問だ。
 芳川という女性はそれを気付かせるために、あえてああいった答えを突き付けたのだろう。

 それを理解した美琴は深呼吸して息を整える。
 

美琴「すみません、取り乱しました」

芳川「別にいいわよ。同じ立場なら誰だって激昂すると思うわ」

美琴「……けど、最後に一つだけ聞いていいですか?」

芳川「何かしら?」





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
841Res/1732.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice