524: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 22:42:20.81 ID:WGxiRQYAo
〜回想〜
黒子「では、わたくしは一七七支部に戻って残っている仕事を片付けなければいけませんので」
一方通行との話が終わった黒子はそう言って、開いた盗難品のキャリーケースを閉じた。
しかし、一方通行が無理やりこじ開けたモノなので、なかなか良いように閉まらない。
軽くイライラしている黒子へ美琴が言う。
美琴「黒子。わかってるわね?」
黒子「……ええ、わかっていますわお姉様。ここで話したことは初春や固法先輩、他のジャッジメントの皆様には内密に、ですわよね?」
一方通行「ああ。下手に触れ回って連中に気付かれてもいけねェしな」
そう言って一方通行は忠告する。
今回の件に対して何かしらのアクションを起こしている者がいると向こうにバレれば、何かしらの対策を講じてくるかもしれないからだ。
それによって彼女たちの身に何が起こるのか。良いことにはならないことは確実だ。
黒子「承知しております、わっ!」
バキッ!! 黒子はキャリーケースを蹴り、無理やり閉めた。
蓋はきちんと閉まったが、外部に明らかに凹んだ跡が見える。彼女は犯人との交戦で破損したとか適当に言い訳でもするつもりなのだろうか。
黒子「ではこれで」
そう言うと黒子は一礼し、盗難品ということになっているキャリーケースを持って、空を切るような音とともに姿を消した。
美琴「さーて、私も帰りますか……げっ、よく見たら門限完全に過ぎてるじゃない!? あーこれはペナルティー&説教確定ね。はぁ」
美琴が携帯電話を開いて、時間を確認したあとため息交じりにぼやく。
そんな美琴に一方通行は話しかける。
一方通行「超電磁砲」
美琴「何よ?」
一方通行「オマエに頼みてェことがある」
美琴「頼み事? もしかして結標捜しを手伝えとか言わないわよね?」
一方通行「いや、そンなことは言うつもりはねェよ」
たしかにオマエが入れば捜すのは楽になりそうだがな、と一方通行は付け加えて続ける。
一方通行「打ち止めの面倒を見て欲しい」
美琴「打ち止めの? 何でよ?」
一方通行「アイツは結標と同じくらい、クソどもから価値のある研究対象として見られている」
一方通行の言葉は予測とか想像とかでもなく事実である。
その理由として過去に、打ち止めを狙った組織が彼女の面倒を見ていた木原数多たちを襲撃した事件があった。
彼が聞いた件はそれだけだが、もしかしたら水面下で数々の組織が彼女を狙い、木原たちに潰されていった可能性だってある。
一方通行「今までは俺の存在で躊躇していた三流組織が腐るほどいたかもしれねェ。だが俺が結標を追って裏に潜り込ンだことを知れば、ソイツらはこぞって動き出す可能性がある」
美琴「そんな状態で今までよく生活してこられたわね」
一方通行「一応は打ち止めの用心棒件保育担当のヤツがいる。だが、正直今はソイツを信用できねェ状況にある。そこで超能力者(レベル5)第三位のオマエのチカラを借りてェ」
美琴「なるほどね。私に打ち止めのボディガードをしろって言いたいわけ?」
一方通行「ああ。オマエなら妹達の事情のことも知っているし、戦闘力も申し分ねェ。何よりオマエなら信用ができる」
美琴「何か買いかぶり過ぎな気がするんだけど」
居心地が悪そうに美琴は頭を掻いた。
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