結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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391: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/10/15(金) 20:56:22.33 ID:5KotB6GBo


禁書「決められるのは物語の登場人物である、好意を持ってしまった女の人、ただ一人だと思うんだよ」


一方通行「…………」

禁書「だからこそ、その男の人は打ち明けるべきだと思うんだよ。その抱えている罪っていうのを」

禁書「もしかしたら、それによってその女の人の気持ちが変わってしまうかもしれない。でも、それはしょうがないことなんだよ」

一方通行「しょうがない、か。たしかにそォだろォな。それだけの罪を犯してンだ。今まで築き上げたモン全部ぶち壊してしまってもしょうがねェよなァ」

禁書「けどね、私は思うんだよ。その程度の『告白』では物語の女の人の気持ちは揺るがないんじゃないかって」

一方通行「記憶を奪ったっつゥのがその程度だと? ケッ、面白れェこと抜かしやがンじゃねェかクソシスターが」

禁書「……これはね、あくまで想像でしかないんだけど、その男の人はきっとその女の人ことをとっても大切に想っていると思うんだよ」

一方通行「どこをどォ解釈すりゃそンな妄想を垂れ流せられるのか不思議でならねェ」


禁書「だってもともと敵対関係にあったんだよね? いくら記憶を失っているとはいえ、そんな人と生活をともにするってなったら絶対に嫌だと思うんだよ」

禁書「ぞんざいな扱いをしたり、無視したり、傷付けたり、そんなことをしてもおかしくはないくらいに」


禁書「けれど、その女の人はその男の人のことへの好意を抱いた。何でだと思う?」

一方通行「俺が知るわけねェだろ」

禁書「男の人から感じたんだと思うんだよ。さっき挙げた敵意とかとはまったく真逆のものを。この人とと一緒に居たいと思えるほどのものを」

一方通行「……ハッ、くっだらねェ。それは女の見る目がなかっただけだよ。男は紛れもないクソ野郎で、そんなモンとは対極の位置にいるクズでしかねェンだからなァ」

禁書「私にはそうは思えないかも」

一方通行「どォやらオマエの見る目もねェよォだな」

禁書「だってその男の人は迷っているんだよね? 女の子の好意にどう向き合うべきなのか、そもそも罪という十字架を背負う自分が向き合うこと自体許されるのか、って」

一方通行「ッ」


禁書「そんなことを考えられる人が、私には本当に悪い人なんだって決めつけることはできないんだよ」

禁書「その人が本当にあなたの言うような人間なら、こんな例え話っていう物語は絶対に生まれることはなかったと思うよ」


一方通行「……ンなわけ、ねェだろ」


禁書「そんなわけあると思うんだよ。自分がやったことを罪と認識して葛藤できるのは、その罪をどうにかして償いたいと思っているから」

禁書「好意に対してどうすればいいのかって悩めるのは、真剣にその女の人のことを想っているから」

禁書「そうやって考えてみると、その女の人の見る目っていうのは間違っていなかったってことだよね」


一方通行「…………」





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