結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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390: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/10/15(金) 20:54:28.02 ID:5KotB6GBo


一方通行「ある男と女がいた。ソイツらは敵対関係にあり交戦した。結果はその男が圧倒的なチカラを振るい、その女を殴り飛ばすことで勝敗を決した」

一方通行「その戦いからしばらくしてから男と女が再び出会った。どういう因果かその男が住ンでいる家に女が居候するという形でな」

一方通行「女は記憶喪失になっていた。だから自分の過去のことはもちろン、その男のこともまったく覚えていなかった」

一方通行「記憶喪失の原因は、以前その男と交戦したときに受けた一撃による記憶障害だった」

一方通行「そンな男と女の、加害者と被害者の奇妙な共同生活が始まったわけだ」

一方通行「同じ屋根の下で生活し、同じ学校に通うクラスメイトとして過ごし、いろいろな出来事を共にした」

一方通行「だが、そンな中でも男は女に伝えることができなかった。自分が記憶喪失の原因だということをな」

一方通行「そのまま月日が流れていき、ある日転機が訪れた」

一方通行「女が男に対して好意を持ち、好きだと言った。自分の記憶を奪った張本人に対してだ」

一方通行「さて、その男は一体どォすればイインだろォな? 背負った罪を有耶無耶にしたまま女を騙し続けたクソ野郎はよォ?」


禁書「…………」

一方通行「以上が例え話だ」

禁書「……なるほど。難しい話かもしれないね」

一方通行「そォかよ。まァ、別にオマエなンかに答えなンざ求めてねェからな。そォいうわけだから俺の前から――」


禁書「うーん、とりあえず好意は素直に受け取ってあげたら良いんじゃないかな?」


一方通行「……ハァ? ナニ言ってンだオマエ?」

禁書「あっ、男の人の気持ちもあるから、ただ受ければいいって決めつけてしまうのは早計だったかも」

一方通行「いや、そォじゃねェだろ」

禁書「?」

一方通行「記憶を奪った男だぞ? 女の大切なモンを根こそぎ刈り取ったクソ野郎だぞ?」

禁書「うん。たしかにそうだね」

一方通行「だったらよォ、そンな受けるから受けないかなンていう決定権がある立場に、立つことなンざ許されるわけねェだろォが!」

禁書「……違うよあくせられーた」

一方通行「何が違うってンだクソガキ!」

禁書「許せるか許されないか、それを決めるのは私でもあなたでもないと思うんだよ」

一方通行「ふざけてンのかオマエ? ここには俺とオマエしかいねェだろォが!」

禁書「そういうことを言っているんじゃないんだよ」

一方通行「あァ?」





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