2:名無しNIPPER[sage saga]
2021/06/26(土) 21:29:12.53 ID:SOVw+v6uO
「また友達の話か」
「な、なんか文句ある!?」
うんざりした様子の東に対して喧嘩腰で吠えて見せると、彼は肩を竦めて続きを促した。
「いや、聞くだけ聞こう」
ひとまず聞いてくれる姿勢を見せた東に対して、私は内心感謝しつつ、友達の話ではなく自分自身の赤裸々な悩みを打ち明けた。
「その友達には最近、彼氏が出来て……」
「ふむ」
「なんかよくわからないけどすごく大事にされてて」
「めでたいな」
「あ、ありがと……いや、そうじゃなくて、大事にされるのは嬉しいんだけど、その子としてはもう少し距離を縮めたいなと」
「なんだそのはしたない女は」
ガンッ! と、頭をバットで叩かれたような衝撃を受ける私に、東は偉そうに説教した。
「その彼氏とやらが節度をもって接しているのはひとえに彼女のことが大切だからだろう。にも関わらず、いつになったら襲ってくれるのかなどと、よくもそんな催促が出来るものだ。手を出したら手を出したで、まだ心の準備が、なんて抜かしてお預けするのだから余計にタチが悪い。思うに、求められている自分に酔い痴れたいだけなんじゃないか?」
「ご、ごめんなさぁあああいっ!」
あんまりな東の物言いに私は泣き崩れた。
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