ギギ・アンダルシア「嘘」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2021/06/23(水) 23:13:15.63 ID:SDd2HCINO
「ガウマンか……?」

鉄の巨人を見上げてハサウェイがパイロットと思しき名前を呟く。やっぱり仲間なのだ。
リーダーの自分が命じてやらせたのだろう。

ズン、ズン、と立て続けに連邦のモビルスーツが地上に降り立ち、ひとつ目のモビルスーツに目掛けてビームライフルを向けた。

咄嗟に目を瞑る。
瞼の裏で光が弾けて、飛び散った。
頬が、顔が熱い。

「ーーーーーーッ!!」

自分の悲鳴が聞こえない。声が途絶える。
飛び散ったビームで、何人も死んでいた。
ハサウェイがまた私を抱えて走っている。

ひとつ目のモビルスーツの盾はビームライフルが命中して融解して、使い物にならない。
盾を捨てて、ビームサーベルを抜いた。

それは黎明の光のように闇夜を切り裂き、不気味な鉄の巨人の姿を浮かび上がらせる。

ド ド ド ド ッ ! !

鉄の巨人が接敵する際に走るだけで地面が揺れて、立っていることも難しい。連邦のモビルスーツもビームサーベルで応戦している。

高出力ビーム同士の鍔迫り合いとなり、その隙に、連邦の新手が私たちが隠れている建物の屋上へと降り立ち、その重さに耐え切れずに建物がガラガラと崩れ始める。逃げ惑う。

背後を取られたひとつ目の巨人がついに連邦のモビルスーツの餌食となり、火花が飛ぶ。
花火のように美しく、儚く、命が擦り減る。

ハサウェイが後ろから私を抱きしめてきた。
私は彼の手の甲に自分の手のひらを重ねた。
仲間のことを思う彼の苦悩を慰めるように。


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