ギギ・アンダルシア「嘘」
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7:名無しNIPPER[sage saga]
2021/06/23(水) 23:07:45.05 ID:SDd2HCINO
「畜生!」
「チッ! どうしてそっちに行くんだい!?」

ハサウェイは私を見捨てなかった。
仲間の人が舌打ちして追ってくる。
彼に抱えられるように走る。否、運ばれる。
足が追いつかない。もつれる。そして転ぶ。

カッ!!

「ーーーーーーッ!!」

転んだのではない、伏せさせられたのだ。
すぐ頭上に閃光が走り、音が消失した。
ビームライフルの流れ弾が至近距離に命中したのだと、遅ればせながら理解した。怖い。

「ギギ、立って!!」
「ぅ……あぁ……」

立てない。立てないよ。腰が抜けている。
ハサウェイが私を抱えて引きずっていく。
とにかく移動しなければならないらしい。
嵐の時のように過ぎ去るのを待つことは、戦場では出来ない。立ち止まったら、死ぬ。

どこに連れて行けばいいのか、どこが安全なのか彼にもわかっていない。仲間の人が叫ぶ。

「そこの公園に!!」

公園に人々が集まっていた。
避難するには最適の場所なのだろう。
しかしそれは災害時に限る。

「落ちてくるよ!!」

ハサウェイの仲間が警戒を促す。
見上げると、鉄の巨人が降ってきた。
モビルスーツ。数十トンの質量の塊。

着陸時にバーニアが火を噴き、何十人もの人が焼け焦げる嫌な匂いがした。人が死んだ。


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