ギギ・アンダルシア「嘘」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2021/06/23(水) 23:03:12.97 ID:SDd2HCINO
ズズンッと衝撃があり、電気が消えた。

「大丈夫、降りれるよ」

機械に対する直感力はハサウェイのほうがあるようで、彼の言う通り、エレベーターは非常用バッテリーで無事に3Fまで降下した。

急いで外へと出るも、既にそこは戦場で。

「ギギ、走って!」

走ってる。走ってるってば。息が乱れる。
走るなんて単純な動作が、私は慣れない。
普段走ることなんてないから。彼は違う。
戦場を走り慣れている。力強く腕を引く。

交差点の向こうに誰か立っている。
彼の、マフティーの仲間だろうか。
ハサウェイが振り向く。目が合う。

迷うように目が泳いでいる。不安になった。

「私を、置いていくの……?」

置いていかれたらたぶん私は死ぬ。
この時ようやく、彼のそばに居たかった理由を心から自覚した。私は死にたくなかった。

彼の顔が苦渋に歪む。迷惑をかけていた。
それでも、私たちは出会った。知り合った。
この状況を招いたのは他でもない彼で、私もまた彼に迷惑をかけられている立場なのだ。

だからお願い。見捨てないで、ハサウェイ。


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