57:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 15:44:08.45 ID:I9OmqLYR0
それから俺は帰路とは逆方向に学校へ、彼女のもとへ向かって全力で走った。
クラスメイトに見られたらアイツは変な奴だと思われるだろう、でもそんな事は関係なかった。
ただ彼女に会いたい。告白して振られたって良い。
とにかく俺は彼女にどうしようもなく好きなんだと、お前が好きなんだと伝えたかった。
汗ばむ制服も見下ろす太陽も、その全てがその瞬間だけは俺のためのエキストラだと思えた。
校門を抜けて、旧校舎の玄関を開けて、階段を昇り、廊下を駆け抜ける。
その頃にはもう俺の足はパンパンで心臓は痛いぐらいに跳ねていた。
焦る気持ちを抑えて、ゆっくりとそのドアを開ける。
彼女は奥の方に一人何をするわけでもなくそこに立っていた。
「よぉユッコ」
高鳴る心臓を抑えて彼女に声をかける。
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