堀裕子「ぴーぴーかんかん?」
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39:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 00:06:44.59 ID:I9OmqLYR0
「なぁユッコって超能力のこと信じてる?」
俺がその気まずさを打開しようと彼女に振った言葉はそんな感じだったと思う。
急に何言ってるんだコイツって思われたと思う。

何となく文字足らずになってしまって言葉を付け加える。
以下略 AAS



40:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 00:07:13.63 ID:I9OmqLYR0
「ふふっ」
 慌てふためく俺の姿が面白かったのか彼女は少しはにかんで笑った。
「はい!如何にも私はサイキックを信じています!」
「サイキックだけじゃなくて、UFOだとか宇宙人だとかネッシーだとか……ビックフットだとか!」
「そういう物も全部!」
以下略 AAS



41:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 00:07:56.17 ID:I9OmqLYR0
「でも……冷静に考えてみれば……そんな物は居ないのかもしれません
UFOは誰かの悪ふざけかもしれないし、ビックフットだって着ぐるみかもしれません」

「でも……私は思うんです!きっと信じている方が楽しいんだって!」

以下略 AAS



42:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 00:08:41.15 ID:I9OmqLYR0
「もしかしたらバッドエンドの物語がハッピーエンドに変わっちゃうような、そんな映画みたいな奇跡だって叶えられるかもしれません!」
「それに私とイツキさんが出会えたことだって、もしかしたら既に奇跡だったかもしれませんよ!」



43:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 00:09:06.69 ID:I9OmqLYR0
……何と言うか、俺には彼女の紡いだその言葉はあまりにも善政的でとても眩しくて、
まるで穢れだなんて何も知らない無垢な赤ん坊のように、あるいは清濁の全てを呑み込んで光も闇も
その全てを内包するような柔らかさだとか、大きさだとかそう言った物を感じさせた。




44:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 00:10:40.33 ID:I9OmqLYR0
 図書室には風が吹いた。夕焼けに全て溶けた昨日の涼しい風とは違う、とても暖かい風が。
風は、俺が誰にも知られたくなくて、自分自身にも知られたくなくて
必死に、必死に隠した心の在りかを馬鹿にして笑うみたいに、いとも簡単に通り過ぎて行った。
 
俺が彼女に心を惹かれていた理由が今なら分かる気がした。
以下略 AAS



45:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 00:20:03.19 ID:I9OmqLYR0
後半は明日投下します


46:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 15:34:58.65 ID:I9OmqLYR0
6.七月


その日からの数週間。
詰まる所、その月は俺にとって間違いなく人生で一番楽しい七月だった。
以下略 AAS



47:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 15:35:56.48 ID:I9OmqLYR0
「ユッコは期末どうだった」
「あーまぁ……ボチボチって感じですね」
「俺も実はそんな感じ……」
「英語ヤバくなかったですか……? 長文のとことか特に」
「俺はそれより世界史がヤバかったな……何だよ前漢、後漢って……中国は中国だろ」
以下略 AAS



48:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 15:36:37.04 ID:I9OmqLYR0

「今日は雨か……俺あんまり雨好きじゃないんだよね」
「大丈夫ですよ! 止まない雨なんてありませんから!」
「んーでもなぁ」
「大丈夫です!それに雨が降った後の夕日は綺麗って言うじゃないですか!」
以下略 AAS



49:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 15:37:58.57 ID:I9OmqLYR0
「めちゃくちゃ暑いな」
「お前が言うと余計に蒸し暑く感じるんだけど」

綺麗に舗装されたアスファルトを足に付けて歩く。
ユッコはその日何か用事があるらしく図書室に来るのが遅れると言っていたから、
以下略 AAS



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