【ミリマスSS】海美「ただいまーーーー!!!!」
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1: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/05/24(月) 22:49:23.87 ID:qnSN5yXj0
アイドルマスターミリオンライブ!のSSです。
地の文となっておりますのでご注意ください。
ライブ良かったですねぇ……。
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2: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/05/24(月) 22:51:01.77 ID:qnSN5yXj0
硬いアスファルトを大きな雨粒が叩く。
黒い空からキラキラ、チカチカしながら降ってきて、まるで真っ黒な宝石のよう。
ともすれば見飽きるほどの季節であって尚、島原エレナはこの荒天をそう称した。よっぽど機嫌が良いらしい。濡れないように早く車に入るように、と声を掛けようとしたプロデューサーは、喉を突いたその言葉を飲み込んだ。
3: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/05/24(月) 22:52:08.99 ID:qnSN5yXj0
「そういえば、海美はまだか?」
「アレ? 入口まで一緒だったんだけど」
プロデューサー、島原エレナ、高坂海美は明日から始まるライブの会場に向けて今まさに出発しようとしていた。
4: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/05/24(月) 22:53:03.73 ID:qnSN5yXj0
直前の直前まで別の仕事が入っていたエレナと海美は、ライブ前日の夜に会場入りする予定になっていた。
二人の出演日は二日目なのだが、長い髪をタオルで拭いているエレナは、一秒でも早く現地入りしたいという気持ちを抑えられずにいるようだ。
その原因は度々光っているプロデューサーの携帯に送られているメッセージにある。ライブのリハは当日の午前中。にも関わらず、多くのアイドルが既に現地入りしていて、都会では吸えない空気を満喫しているようだった。
5: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/05/24(月) 22:54:04.48 ID:qnSN5yXj0
ばちゃばちゃとブーツで派手に水飛沫を立てながら、水色の合羽に身を包んだ影が近づいてきた。
「お待たせー!」
「どうした海美、忘れ物か?」
「うーん、なんか……うーん」
6: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/05/24(月) 22:54:58.35 ID:qnSN5yXj0
「なーんか、忘れてるような……?」
「劇場のカギは警備員さんに渡してきたから大丈夫だろ? 電気も消してきた、よね?」
「はい! 私が確認しました!」
「早く行こうヨ〜! ワタシもみんなと一緒にお喋りしたいヨ〜!」
7: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/05/24(月) 22:56:08.85 ID:qnSN5yXj0
「行ってきま〜〜〜〜〜〜す!!!!」
冷たい空気を吹き飛ばすくらいの快活な大声が、誰もいない駐車場いっぱいに広がった。
それは暗い空に吸い込まれていき、すぐに雨音で上書きされていった。
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