48:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 21:43:16.43 ID:emsexCaj0
そういえば彼女がこうして密着してくるのは珍しい。
実験でもこうして抱き着かれたことはあまりない気がする。
まあ何か理由があるんだろう。
私はタキオンごと立ち上がって、朝支度の用意をした。
49:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 21:45:03.63 ID:emsexCaj0
「ほら、タキオン。今日はタコさんウィンナー入れちゃうよ〜。おいしそうだね〜」
「…」
「あ!この人参お花さんだね!きれいだね〜」
50:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 21:46:21.41 ID:emsexCaj0
ついでに学園側にもタキオンが欠席することを伝えた。
まあどうせいつもサボってるけど…ああ…嘘をついてしまった…心苦しいな…。
でも仕方ない。なんたって、タキオンの異常事態なんだから。
タキオンが泣くなんて…初めて見た…ここからじゃ見えないけど…タキオンは私の服でゴシゴシ涙を拭いている。後できれいなハンカチを渡さなきゃ。
51:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 21:48:12.91 ID:emsexCaj0
「ううん…じゃあ、どうしたら怖いのが無くなるのかな?」
「怖いわけでは…ふぅン…まあ…一日は続ける必要があるだろうね」
「私にも仕事があるんだけど…」
52:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 21:49:54.26 ID:emsexCaj0
このままの体勢ではタキオンが食べ辛いので、私の膝にタキオンが乗る形で食事をすることに落ち着いた。
「ふぅン…カラフルな見た目じゃないか…」
いそいそと弁当を食べようとするタキオンを尻目に、私もこの際だからお腹に物を入れようとおにぎりを手に取ると、
53:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 21:51:16.52 ID:emsexCaj0
その後もうタキオン食べ始めちゃったしそれならこの弁当を食べろいやそれはタキオンのために作った弁当でつべこべいうななどとひと悶着があって、
二人で弁当とおにぎりを分け合って食べることになった。
「栄養バランス考えて作ったのに…いつもなら人に譲らないのにどうしちゃったのタキオン…」
54:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 21:53:14.58 ID:emsexCaj0
食事を終えて、片付けのために立ち上がろうと、タキオンの位置をまた私の背後にずらして、流しに立った。
移動するたびに面倒くさいな…くっついてくることに対しては正直に言うと悪い気してないけど…。
「どう?お腹いっぱいになって立ち直った?」
55:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 21:56:08.64 ID:emsexCaj0
「いやでも、ほら…なんだかんだ言って、今までだって薬の安全性は最低限考慮してくれてたんでしょ?ね?」
「おおよそは」
私はおおよそで今まで無事だったの?
56:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 21:57:15.62 ID:emsexCaj0
「もちろん、言いたくないことなら無理には聞かないけどね。そっとして欲しいなら、そうするよ」
「…」
「…」
57:名無しNIPPER[saga]
2021/05/16(日) 21:58:22.84 ID:emsexCaj0
私を後ろから抱きしめるタキオンの腕の力が強まった。
しばらくタキオンの尻尾が床に擦れる音が続いた。
うーん…。
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