狐娘「妾は老いることも死ぬこともないケモノじゃ」
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94: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2021/05/27(木) 02:32:07.91 ID:7H4INTzK0
男「ここって…」
男(神社の裏の池……この人を初めて見つけた場所…)
狐娘「どこを見ておる。こっちじゃ」
ザッザッザッ...
(一本の低木)
狐娘「ほほう、また少し背を伸ばしたか?」
男「……?」
狐娘「どうじゃ、可愛い姿をしておろう」
男「えー、と」
男(この小さな木のことだよね…?僕にこれを見せるためにわざわざ連れてきたのかな。こんな木ばっかりの場所で…)
男(いや、これくらいの木って人工林の中にあったっけ?)
狐娘「これでも植えた頃に比べれば数倍は大きくなったのじゃよ」
男「というと、この木は狐娘さんが?」
狐娘「うむ。妾がここへ移ってきたばかりの時にな」
狐娘「見ての通り、変わり映えしない景色じゃろう?せっかくなら長く楽しめるものが良いということでな」
男「長く、ですか」
男(木の一生は確か、短いもので何十年とか。僕からしたら相当気の長い話だけど、狐娘さんからしたらそんなの…)
男(きっと一瞬なんだよな)
狐娘「お主にこやつを頼みたい」
男「…世話をすればいいんですね?」
狐娘「世話と言うてもな、ククッ、ここまで成長しておれば枯らす方が難しい。気の向いた片手間に様子を見にきてくれるだけでいいんじゃ」
男「はい。任せてください」
男(…となると、やっぱり姉さんとの同居の件はもう少し話し合ってから決めなきゃいけないよね)
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